空気中から金属表面に平面波が入射する場合を考える。境界面の法線に対してある角度で伝搬する透過波振幅は波面内で不均一である。
しかし、媒質の導電率が増加すると波面と振幅一定面は一致するようになり、透過波伝搬ベクトルktと境界面法線ベクトルunは平行に近づく。
良導体では入射角θiに関係なく、透過波は境界面に垂直に伝搬する。

金属に垂直に入射する場合の反射率 R = Ir/Iiを求める。入射媒質屈折率ni= 1、透過側金属の屈折率ntは複素数となる。フレネルの公式の解釈の式2から、

Formula 4.82

(式1)

ここで、nt= nR– inIであるから、

Formula 4.83

(式2)

となる。

典型的な吸収性媒質の反射率R//・Rを図1に示す。主入射角とよばれる入射角でR//は最小値を取るがゼロにはならない。

hecht_fig4.58図1吸収性媒質の典型的反射率 。入射光は直線偏光した白色光。

蒸着金属膜の垂直入射分光反射率を図2に示す。

Figure 4.59

図 銀・金・銅の分光反射率

金では、緑以下の波長域の光がかなり透過する。銀は可視光全域で高反射率をもち、紫外線領域の約316nm で透明となる。

金属による反射では、一般に0でもπでもない位相変化が生じる。ただし、θi= 90ºの場合は特殊で、誘電体と同様に位相は180°変化する。

参考文献

E. Hecht 著、尾崎義治・朝倉利光 訳「ヘクト 光学 I 」第9版 丸善(2013)