光学ガラスの屈折率

レンズ材料の光学ガラスの屈折率は、光の色によって異なる値を持っている。カタログに記載されている光学ガラスの屈折率は、特に記載が無い場合、オレンジ色の光(波長λ=558 nm)に対する屈折率である。この光は、人の目に対して感度の良い光なので、基準波長として使用されている。

一般的にガラスは、波長の短い光(青色)のほうが、波長の長い光(赤色)より屈折率が大きいという性質がある。図1のように、光をプリズムに入射すると、この性質を確認することができる。青色の光は屈折率が大きいため、大きく曲がり、一方赤色の光は屈折率が小さいため、あまり曲がらない。

図: プリズムによる屈折

アッベ数

ガラスの色による屈折率の違いを分散と呼ぶ。色による屈折率の違いが大きいガラス材料には、分散が大きいと表現し、一方、色による屈折率の違いが小さければ分散が小さいと呼ぶ。レンズの分散を表す指標として、アッベ数という値が用いられる。アッベ数は次式で定義される。

nd: オレンジ色の光(波長λ=588nm)に対する屈折率
nF: 青色の光(波長λ=486nm)に対する屈折率
nc: 赤色の光(波長λ=656nm)に対する屈折率

アッベ数はレンズに光を入射した時の、赤と青のピント位置の差(軸上色収差、図2参照)を表している。アッベ数νの材料でレンズを作ると、焦点距離の1/νだけ赤と青のピント位置の差が生じる。したがって、アッベ数が大きいほど色によるピント位置の差、軸上色収差が小さいということになる。

図2: 軸上色収差

レンズガラス材料の光学特性を表すのに、図3のようなチャート表が使用されている。図3では、横軸にアッベ数ν、縦軸に屈折率ndをとっており、ガラス材料が点で表されている。

図3:光学ガラスのチャート表

旧ガラス(BK~SF)、新ガラス(SK~BASF)、新種ガラス(LAK~LASF)の順にガラス材料が開発された。