厚さが不均一なガラス板を通過したとき、光の波面どのように変化するのか?それに続く伝搬後の波面はどうなるか?
この問題の解を得る初歩段階は、ホイヘンスの原理で与えられる。図1に示すように、伝搬する波面∑上のすべての点から2次小球面波が発生する。
小球面波の包絡面が新たな波面∑’となる。

Hecht Figure 4.26

図1 波動伝搬をホイヘンスの原理で説明
波面を点光源の列とみなす。各点光源が球面波を放射することで波動が伝搬する。

2次小球面波の周波数・伝搬速度は、元の波動と等しい。干渉の概念を取り入れていないために、例えば、横方向散乱を論じることはできない。しかし、伝搬メカニズムの詳細を無視して、有効に機能する仮説として利用することはできる。ホイヘンスの原理に干渉の概念を付加して数学的に修正したのはフレネルである(→ホイヘンス=フレネルの原理)。キルヒホッフは、ホイヘンス=フレネルの原理が微分波動方程式の直接的結果であることを示し、数学的基礎を確立した。

 

参考文献

E. Hecht 著、尾崎義治・朝倉利光 訳「ヘクト 光学 I 」第9版 丸善(2013)