どんな波形でも、適当に選んだ正弦波を重ね合わすことで合成できる。波長がλ1とλ2の調和波をからなる合成波は非調和波である。

一方の波形のN1サイクルと他方の波形N2サイクルの間に λ1N1= λ2N2なる関係があれば、両者は同一の位相関係に復帰し、
合成波は周期的となる。各成分波の初期位相は同一である必要はない。各成分波の振幅を周波数に対応して示すと周波数スペクトルとなる。
周期関数を解析する美しい数学的手法としてフーリエの定理がある。定理は、「空間周期λをもつ関数 f(x) は、λの整数分の1 の波長をもつ
調和関数の和によって合成できる」と述べる。数学的に表現すると、

Figure 7.41

(式1)

となる。ここで、C は任意定数である。

三角関数の等式

Formula 計算式なし (12)

を利用して書き直した下式が常用される。

Formula 7.42

(式2)

ここで、k = 2π/λ 、λはf(x)の波長、Am= Cmcos εm、Bm= -Cmsin εmである。式2の右辺第1 項をA0/2 としたのは、後の議論の数学的簡便さのためである。

f(x)からA0・Am・Bmを求める手順は以下のとおりである。

Formula 計算式なし (13)

を利用すると、

Formula 計算式なし (14)

同様に三角関数の直交性

Formula 7.44

(式3)

Formula 7.45

(式4)

Formula 7.46(式5)

を利用する。ここで、a とb はゼロでない整数、δabはクロネッカーのデルタでa ≠ bのときδab= 0、a = b のときδab= 1 である。
式3-式5を利用すると、式2から

Formula 7.47

(式6)

Formula 7.48

(式7)

を得る。

f(x)が偶関数 [f(-x) = f(x)] ならば、フーリエ級数は余弦項のみとなる。奇関数ならば正弦項のみとなる。

数値例として矩形波を考える。

Formula 計算式なし (15)

である(図1)。

Figure 7.28

図 1 周期的矩形波の形状

奇関数であるから、Am= 0 である。Bmは式7を使って、

Formula 計算式なし (16)

を得る。したがって、フーリエ係数は

Formula 計算式なし (17)

であり、求めている級数は

Formula 計算式なし (18)

(式8)

となる。級数の部分和をプロットすると図2 のようになる。

Figure 7.29

図 2 周期的矩形波の合成。全ての成分波は同位相であり、矩形波がゼロになるところでは必ずゼロである。

以上の議論を波動に適用する。非調和的で周期的な波動は

Figure 7.50

(式9)

あるいは

Figure 7.51

(式10)

と書くことができる。

用語に関する注意を述べる。波長λは空間周期、波数 k = 2π/λ は空間角周波数とよぶことができる。一方、光強度空間パターンを表現する
ときにも空間周期・空間角周波数という用語が使用される。両者を混同しないように留意する必要がある。

参考文献

E. Hecht 著、尾崎義治・朝倉利光 訳「ヘクト 光学 I 」第9版 丸善(2013)