ファラデーは、電池により電流が流れる1次コイルと検流計をつないだ2次コイルを組合せた実験によって、”変化する磁界が電流を発生させること”を確信した。

コイルに磁石を差し込むと、コイル端子に誘導起電力が発生することも示した。

時間変化する磁界Bに(リング面が直交するように)針金の輪を置いたとき、誘起される起電力の大きさは輪の面積Aに比例する。針金の輪を直交位置から角度θ傾けた時には、磁界Bに直交する面への射影面積A=A cosθに比例する起電力が発生する。磁界Bに時間変化がなく一定のとき、(輪を回転するかつぶれるかして) Aが時間変化すれば、ΔAtに比例する起電力が発生する。

以上から、起電力の大きさは、AとBの積の時間変化に依存することが分かる。ここで、磁束ΦMを導入する。上記の例では、

3.1-0

Bが空間的に変化する一般の場合は、

3.1

Aは針金の輪を縁とする面である(図)。輪のまわりに誘起される起電力は、

3.2

である。針金の輪や電流・起電力よりも、電界・磁界そのものに注目することが重要である。

起電力を電界で表すと、

3.3

となる。ここで、Cは針金の輪に相当する閉積分路である。これまでの式から

3.4

を得る。上式は物理的実体として電界・磁界のみを含んでおり、電界は磁界の時間変化により生じていることを示している。電荷が存在しないとき、電気力線は自身で閉じた閉路を形成する。また、上式の右辺微分を積分内に入れ、Bが時間・空間の関数であることを考慮すると、

3.5

となる。

 

3.4
図 開いた面Aを通過する磁束密度B

参考文献

E. Hecht 著、尾崎義治・朝倉利光 訳「ヘクト 光学 I 」第9版 丸善(2013)