簡単な場合から議論を始める。同一方向に伝搬し、異なる周波数の二つの波動E1とE2

Formula 計算式なし(1)

と表す。
ここで、k1> k2および ω1> ω2とする。二つの成分波は振幅が等しく初期位相はゼロである。合成波E は、

Formula 計算式なし(2)
となる。恒等式
Formula 計算式なし (3)
を用いて、

Formula 計算式なし (4)

と書き直すことができる。ここで、平均角周波数ωavと平均伝搬定数kav・変調周波数ωm・変調伝搬定数kmを以下のように定義する。

Formula 7.31

(式1)

Formula 7.32

(式2)

これらを使用すると、

Formula 7.33

(式3)

となる。式3は

Formula 7.34

(式4)

ただし、

Formula 7.35

(式5)

と書くことができる。変調された振幅E0(x, t)をもつ角周波数ωavの波動である。応用上重要なのはω12かつωav>> ωmが成り立つ場合である。E(x, t)は非常に速く変化するが、E0(x, t)はゆっくり変化する(図1)。

Figure 7.16

図 1 二つの調和波の重ね合わせによる”うなり” パターン
二つの調和波は、振幅が等しく周波数がわずかに異なる

このとき強度は、

Formula 計算式なし (5)

あるいは

Formula 計算式なし (6)

に比例する。E02(x, t)は、角周波数2ωmで平均値2E012を中心に振動する。2ωmはうなり周波数またはビート周波数よばれる。
二つの成分波の振幅が異なる場合、打ち消し合いが不完全となり強弱比は低い(図2a)。図には、位相子E1・E2の合成で位相子Eが生成される様子も示す。包絡線はE0(x, t) の時間変化をプロットしたものである。

ω1> ω2として、周波数の高い位相子E1を低い方E2の先端に置く(図2b)。E2を位相ゼロの水平位置に固定して描く。
E1は角速度(ω1– ω2)で回転するため、α = (ω1– ω2)t となる(図2c)。合成波の振幅E0(x, t)はE01+ E02とE01 – E02の間で振動する

Figure 7.17

図2 (a) 二つの調和波の振幅が異なるときの”うなり” パターン
(b) 周波数の高い位相子E1を、E2の先端部に配置している (c) E1は差の周波数で回転する

参考文献

E. Hecht 著、尾崎義治・朝倉利光 訳「ヘクト 光学 I 」第9版 丸善(2013)