全可視光領域でほぼ同じ強さを持つ光は白色と知覚される。周波数によらず高い反射率をもつ拡散散乱物体は、白色光の照明下で白色と知覚される。
水は透明だが、水蒸気はすりガラスのように白く見える。粒子寸法が波長より大きい場合、各粒子によって光は反射や屈折を受ける。波長依存性はないため、観察者に届く散乱光は白色である。砂糖や塩・紙・布・雲・等の白さも同様の機構による。

粒子あるいは繊維表面の相対屈折率ntiを減少させると、反射は弱まり白さは乏しくなる。白色の薄絹が濡れると、灰色がかって透明度を増す。
全可視光領域で一様な吸収性を有する拡散反射面は艶のない灰色となる。反射が少なくなるにしたがって暗くなり、全光量の多くを吸収すれば黒色となる。
反射率が7, 80%以上であっても、鏡面反射する表面は金属光沢をもつ灰色にみえる。光エネルギーの分光分布が一様でないと、光は色づいて見える。
赤・緑・青と知覚される色素の分光反射率の典型例を図1に示す。

Figure 4.60

図1 青・緑・赤の色素の反射曲線例

三つの光を加えて白色となるとき、それらを原色とよぶ。原色の組み合わせは唯一ではない。広範囲の色を作り出せることから、多くの場合、赤・緑・青が原色として用いられる。赤と青の光を加えるとマゼンダに見える。青と緑ではシアン、赤と緑では黄色となる。加えると白色となる二色は、お互いに補色とよぶ。例えば、マゼンダと緑あるいは、シアンと赤は補色関係である。
赤と白を加えるとピンクになる。白を含まない色は、飽和しているという。図2から分かるように、ピンクは非飽和の赤であり、バックグラウンドとして白を含む。

Figure 4.62

図2 桃色の色素の反射スペクトル

青を強く吸収するステンドガラスを考える。このステンドガラスを通して白色光源を見ると、ガラスは黄色に見える。白色光から青の取り除くことで黄色を生じている。このような着色を減法着色とよぶ。光ビームの加算で色を生じるのは加法着色である。

マゼンダ・シアン・黄色のフィルター(図3)を組合せたものに白色光を通すことで全ての色を作り出すことができる。

Figure 4.65

図3 色フィルターの透過曲線

参考文献

E. Hecht 著、尾崎義治・朝倉利光 訳「ヘクト 光学 I 」第9版 丸善(2013)