レンズの結像において、”物体の1点から出たあらゆる光線は、レンズ通過後、像面の1点に集まる”という基本性質があるが、厳密には、この性質は成立しない。
物体の1点から出た個々の光線は、レンズの表面でスネルの法則に従って屈折するため、球面形状だと像面ではある範囲に散らばってしまう。より1点に光線を集めるように非球面形状としても、完全に1点に集めることはできない。そのため、レンズには必ず像がボケる現象がつきまとう。また、物体と像の形が相似形にならなかったり、色がにじむ現象が現れる。これらの現象を総称して、収差と呼ぶ。収差はあらゆるレンズに存在し、レンズの直径や像の大きさによって変化する。

収差は以下のように分類できる。

表1: 収差の分類
収差 単色収差 球面収差 光軸上で光線が1点に集まらない現象
コマ収差 光軸外で、点像が尾を引く現象
非点収差 同心円像と放射線像の結像点が一致していない現象
像面湾曲 像面が平坦ではない現象
歪曲収差
ディストーション
物体と像が相似形にならない現象
色収差 軸上色収差 色によって結像位置が異なる現象
倍率色収差 色によって倍率が異なる現象

収差は単色の光で生じる単色収差と、複数の光がレンズに入射することで生じる色収差に大別でき、さらにそこから様々な収差に分類されている。