人がモノを見る場合、物質からの反射光を目で検出して、物質があることを認識する。ホログラムは、この物質からの反射光を正確に作り出す(再生する)デバイスである。そのため、実際に物質がなくても、ホログラムにより実際にあるように見えてしまう、という現象が起きる。それでは、ホログラムはどのように作製されるのだろうか?
ホログラムの作製
ホログラムを作製するには、レーザー光源、ビームスプリッター(レーザー光を2つに分けるもの)、ミラー、レンズ、感光剤(カメラでいえば、写真のフィルムのようなもの)、被写体を使用する。これら部品を例えば図1(a)のように配置する。レーザーからの光を、ビームスプリッターで2つに分ける。一方はミラーで反射させて、レンズに入射させる。レンズにより、光を広げて、被写体(リンゴ)に当てる。もう一方も、同じようにミラーとレンズを用いるが、被写体には当てず、感光剤に直接当てる。
リンゴに当たった光は反射される。この反射光を物体光と呼ぶ。一方、感光剤に直接当てる光を参照光と呼ぶ。感光剤のところでは、物体光と参照光がぶつかり、重なったり消しあったりした様子が「干渉縞」というシマシマ模様で現れてくる。この「干渉縞」を感光剤に写真のように記録する。この「干渉縞」が記録された感光剤(写真のネガのようなもの)が、ホログラムである。しかし、作製されたホログラムは、そのままでは被写体を見ることができない。それでは、どのようにして被写体が見えるようにするのだろうか?

図1: ホログラムの原理
ホログラムの再生
図1(b)は、図1(a)で撮影した被写体(リンゴ)の像を見るための方法である。
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