太陽は、荷電粒子から成るガス(太陽風)を宇宙空間に放出している。地球に届いた太陽風は、地磁気の力によって極地方に運ばれ、大気中の原子・分子の電子と衝突する。すると、電子は高いエネルギーの軌道に移動する。この時の原子・分子は励起状態(動きが活発な状態)になる。しかし、しばらくすると励起がおさまり、元の軌道に戻る。この時軌道のエネルギー差に相当する光が放出される。これがオーロラである。
蛍光灯もオーロラと似たような原理で可視光を発する。蛍光灯は内部が真空に近く、電圧をかけると電極から高速の電子が飛び出す。電子はガラス管内に封入された水銀の原子と衝突し、水銀原子は励起状態となり、紫外線を放出する。蛍光灯の内壁には、紫外線を吸収する蛍光塗料が塗られている。蛍光塗料中の分子は紫外線を吸収して励起状態になるが、すぐには光を放出しない。その間に励起状態の分子は、熱振動する周囲の分子とぶつかってエネルギーを一部奪われる。このために蛍光灯は熱くなる。エネルギー放出のために電子は下の軌道へ移る。そのあとさらに電子が下の軌道に移ると、可視光が放出される。このように、吸収した電磁波よりエネルギーの低い電磁波を放出するを放出する現象において、その放出された電磁波を蛍光と呼ぶ。
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