進化する防衛アプリケーションを支える次世代センシングシステム

ピーター・フレッティ

米ロッキード・マーティン社(Lockheed Martin)は米アヤール・ラボ社(Ayar Labs)と提携し、従来の電気的インターコネクト(電気通信)に代わる光I/Oソリューションを開発した。

競合に勝つための鍵とは、差別化できる強みを見つけて活かすことだ。
 とはいえ、言うは易く行うは難しである。というのは、戦場、兵器、それらを支える機器といったあらゆる分野は絶え間ない進化を続けているからである。今日の戦場は、歴史的な戦場というよりも、急速に進展する高解像度のビデオゲームに似た点が多い。つまり、戦争はデジタル化していると言える。データ駆動型のデジタル空間が社会に広がり続けるに伴い、この傾向はますます強まるだろう。
 デジタル社会では、あらゆる種類のデータをいかに迅速に収集し、分析し、利用できるかが、結果に大きな違いを生み出すものだ。ロッキード・マーティン社のアドバンスト・テクノロジー・ラボラトリーズのシニア・リサーチ・エンジニア兼プログラム・マネージャーであるマイケル・ホフ氏(Michael Hoff)は、次のように述べる。「現代と未来の戦場では、適切な判断を迅速に下せることが大きな差別化要因になる。従って、プラットフォームの処理と機能を用いて遅延時間を最小限に抑えることで、いつものOODA(Observe [観察]、Orient [状況判断]、Decide [意思決定]、Act [行動])ループをますます早く回せるようになる。
 今日の機器は、航空機の誘導、飛行経路図の作成、通信管理など、一連のシステム(レーダ、テレコムなど)に依存している(図 1)。現在、こういった用途を推進しているコア技術は、通信とセンシングのために指向性の強いビームを生成する。もちろん、さらに忠実性の高い用途には、タイムリーかつ実用的に洞察するために、多機能センサと、膨大な量のデータを処理ユニット間で迅速にやり取りする技術が要求される。迅速性を維持するためには、従来の電気的インターコネクトの仕組みを超えることが必要である。あらゆる種類の防衛プラットフォームでは、効率を最大化し、遅延時間を最小化しながら、膨大化するデータを伝送・処理することが求められている。

図1

図1 ダイナミックで多様な戦闘空間においてリアルタイムの意思決定と行動を調整、分散するには、プラットフォーム間で大量のデータが収集、処理、通信される。このため、各プラットフォームは、前例のない電磁波スペクトルにアクセスする必要がある。さらに、プラットフォーム内では、大量のスペクトルデータセットを取得、処理、転送できる対応力も要求される

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出典元
http://ex-press.jp/wp-content/uploads/2023/03/034-036_ft_defencesecurity.pdf