UVから赤色光への変換が植物の成長を促進

植物の栽培にかかる時間は、食糧生産に広範囲にわたる影響を及ぼす、さらに食の安全、究極的にグローバルな食糧サプライチェーンに影響を与えうる。光の変換は、そのような影響を緩和し、改善する可能性がある。
 北海道大、化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)の研究者は、同大の工学部と農学部のチームとともに、波長変換材料(WCM)を開発した。これは、プラスチックシートに適用すると、UV光を光合成特性を強める赤色光に変換できる。
 WCMは、ユウロピウム錯体(Eu3+)とメトキシ置換トリフェニルホスフィンオキシド混合に基づいた薄膜コーティングであり、アモルファスになっている。Eu3+錯体発光団は、強い赤色発光を示す、とWPI-ICReDDの庄司淳特任助教は、4f-4f還元に基づいて話している。これは、UV光がある電子状態を励起するプロセスであり、次に赤色スペクトル領域の長波長フォトン放射となる。これは、有機配位子の結合によって得られる。
 光増感剤−ヘキサフルオロアセチルアセトナートをともなうEu3+発光団と安定剤−トリフェニルホスフィンオキシド(TPPO)、 [Eu(hfa)(TPPO) 3 2]は、UVから赤色光への高い変換効率を実証した特に約70%の発光量子収率、可視光域には吸収帯はほとんどない。
 「このユニークな特性の組合せは、光合成に利用される他の可視光を妨害することもなく赤色光の量を著しく増やす」と庄司氏は話している。

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出典元
http://ex-press.jp/wp-content/uploads/2023/03/006-007_wn_optical_materials.pdf