自動運転に対する関心の高まりが、成長機会を促進
自動運転に対する関心の高まりに伴い、ライダ(LiDAR)の潜在的な役割は、モビリティの未来に賭けたいとハイテク企業に思わせる、興味深い機会を創出している。
電動化と自動運転に向けた動きが同時に注目を集める中で、自動車業界の状況は急速に進化している。その転換が、従来のサプライチェーンに破壊的な影響を与えることは間違いない。どちらの変化も一夜にして起きることはないが、世界中の主要メーカーがそれを目指す取り組みを発表している状況を、サプライヤーは深刻に受け止める必要がある。
電動化に向けた動きは、可動部品が燃焼機関よりもはるかに少なくなり、多くの場合においてパワートレインを提供するのは、同業界に深く根付いた状態にある従来のサプライヤーではなくなることを意味する。
また、自動運転の潜在的成長は、全く異なる一連の変化をもたらす。自動車メーカーが、消費者の進化する期待に応えられる自動車を生産する方法を再考するようになるためだ(図1)。それがもたらす破壊力は不安定であると同時に、魅力的な素晴らしい機会を創出するものでもある。
例えば、自動運転に対する見通しの高まりが、急速に勢いを増しつつあるライダ(LiDAR)などのガイダンス技術に対してどのような影響を、正当な理由ともにもたらすか、考えてみてほしい。 米ABIリサーチ社(ABI Research)は「Demystifying LiDAR: IoT And Automotive Applications, Industries, And Business Models」(ライダの謎を解明する:IoTと自動車分野のアプリケーション、業界、ビジネスモデル)という報告書の中で、控えめな楽観的見解とともに、人間のドライバーが運転に関与しない状態になったときに、ライダは、カメラとレーダーからなる現行の構成に重要な「第3の意見」を追加するための理想的な位置にあると指摘している。
「ライダ技術とそのサプライヤーエコシステムは、2つの重要な点で、進化し続けていくことになる。まず、機械式から固体ライダセンサ技術への移行によって、価格レベルの低下(最終的には500米ドルを切ると予想される)、製造スケーラビリティの向上、破損や摩耗の減少に伴う保守レベルの低下が促進される。2つめは、100を超える企業で現在構成される、ライダのサプライヤーエコシステムが成熟し、2030年までに10〜20の主要企業に統合される」と、ABIリサーチ社のマネージングディレクター兼副社長を務めるドミニク・ボンテ氏(Dominique Bonte)は述べた。
機会を察知する
10年前に創業したノースカロライナ州ダーラムを拠点とするメーカーである米フォトニック社(Phononic)は、その可能性に期待を寄せている。同社は光ファイバ通信に取り組むことで、高いデータレートと広い通信範囲を備え、トランシーバー内のレーザや検出器に対する高精度に制御された温度管理を行う、ニッチながらも実用的な、ハイエンドな光ファイバコンポーネントを確立した。
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出典元
http://ex-press.jp/wp-content/uploads/2022/09/012-014_ft_automotive_lidar.pdf