CMOSシリコンにフォトニクスとエレクトロニクス搭載100Gbit/s光変調器

シリコンフォトニクスは研究室から始まり、特注の半導体製造プロセスを使い苦労して少量が生産された。これは、言うまでもなく、イノベーションの始まり方である。シリコンフォトニクスの次のステップは、最初に可能性が実証されたなら、製造法を考え、デバイスをより安価に、簡単に利用する方法を考えることである。理想的には、カスタム製造プロセスからCMOS適合、できればコンピュータチップ製造で使われている標準CMOS適合製造プロセスへの移行を意味する。どんなR&Dプロジェクトでもこれを達成することは、商用化への大きな一歩である。
 その上、同一チップ上でエレクトロニクスとフォトニクスを真に融合させることは、おおむね、まだ商用的に実現していないが、大いに期待されている目標である。現在、英オプトエレクトロニクス研究センター(Optoelectronics Research Centre:ORC)の研究者が、100Gbit/s超で動作し、デジタル信号処理(DSP)を使わないオールシリコン光トランスミッタを実証した。また、これは、標準CMOSプロセス(TSMC28nm High-kメタルゲート)(1)を利用して製造されている。さらにこのデバイスは、フォト
ニクスとエレクトロニクスを単一の集積システムに統合しており、電気CMOSドライバを含んでいる(図1)。
 その光変調器は、現在、最先端のデバイスの最大データレートをほぼ2倍にする。光変調器は、現在の情報と通信技術に使う極めて重要なコンポーネントである。従来のデータ通信リンクだけでなく、マイクロ波フォトニクスやチップスケールコンピューティングネットワークでも同様である。

図1

図1 シリコンフォトニック光変調器には電子CMOSドライバも含まれる。デバイスは、最大100Gbit/sで動作する。(画像提供:ORC)

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出典元
http://ex-press.jp/wp-content/uploads/2021/07/008-009_wn_silicon_photonics.pdf