研究者らが初の電流注入型GeSnレーザを実証

もし材料科学の研究者やエンジニアがそれなりのきっかけを持つことがあれば、彼らはシリコン(Si)やゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)を使用してモノシリックレーザを開発するだろう。これらはすべて同じIV族元素の半導体である。その理由は何なのか。これらの開発により、マイクロプロセッシングの速度と効率が大幅に向上するとともに、将来のオンチップフォトニクスやナノエレクトロニクスのサイズやコストを削減できる可能性がある。なぜなら、GeSnエピタキシーが、相補型金属酸化物半導体(Complementary Metal-Oxide Semi conductor:CMOS)プロセスと完全に互換性があり、Sn含有量が8%を超えるGeSnは、広い波長範囲で効率的な発光を可能にするダイレクトバンドギャップ材料であるからである。よって生化学センシング、分光法、パイロメトリーなどの中赤外アプリケーションに汎用性がある。
  近年、研究 者らは光 励起されたGeSnレーザの開発において大きく進歩を重ねてきた。しかし先月まで、電流注入型GeSnレーザを達成することは困難なままであった。米アーカンソー大(University of Arkansas)電気工学教授のシュイチン・フィッシャー・ユ氏(Shui-Qing ‘Fisher’ Yu)が率いるアメリカに拠点を置く材料科学研究者らが、GeSnで作られた初の電流注入型レーザであると主張するものを実証したのはそのような時だった(1)。この研究は、空軍科学研究局の支援により行われた。
 ユ氏とアーカンソー大マイクロエレクトロニクスフォトニクスの博士課程の学生であるイーイン・チョウ氏(Yiyin Zhou)は、米アリゾナ州立大(ArizonaState University)、米マサチューセッツ大ボストン校(University of Massachusetts Boston)、 米ダートマス大(Dartmouth College)及び米ウィルス大(Wilkes University)など、いくつかの研究機関の同僚と協力した。また研究者たちは、半導体機器メーカーの米アークトニクス社(Arktonics)とも協力した。

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出典元
http://ex-press.jp/wp-content/uploads/2021/01/6-7_wn_novel_laser.pdf