イメージングシステムで適切な被覆厚を確保

被覆鋼材メーカーには、鋼(スチール)と被覆(コーティング)という2つの主要な製造コストがある。コーティングが多すぎると利益に影響を及ぼし、他方、不十分では、保証クレームの可能性がある。これを理解して、試験装置サプライヤーである加DJHデザイン社(DJH Designs)は、システムインテグレータの
加スカイオートメーション社(Skye Automation)と提携し、スチールのコーティング膜厚を制御する手段を開発した。
 「色、光沢、耐溶剤性とコーティング厚などの品質検査は、ラインからのカットサンプルが必要になる。システムは、0.5μm ~約25μmまでの極薄膜被覆を計測する」とDJHデザイン社の社長、ジョン・ヘンダーソン氏(John Henderson)は説明している。
 計測に先立ち、オペレータは、コーティングを通して金属サンプルに、また基板の最上層に穴を開ける。オペレータが、DJHデザイン社特注顕微鏡の焦点を金属サンプルに合わせた後、システムはさまざまな露出で自動的に複数画像を撮り、コンピュータで高ダイナミックレンジ(HDR)画像を生成する(図参照)。
 「システムは、コーティング厚を正確に計測するために複数層のコーティングとクレータの直径を計測する」とスカイオートメーション社社長、スカイ・ゴルテル氏(Skye Gorter)は話している。同社は、顕微鏡ベースの検査システムにマシンビジョン組込みとソフトウエアを供給している。「コンピュータを利用した照明制御により、システムは位置に対して変化する顕微鏡のfストップ位置をベースにして一貫性を維持することができる。顕微鏡位置の最大範囲で照明強度は維持されなければならない」。
 顕微鏡は、27fpsでフルフレーム画像を撮るための2メガピクセルCCD画像センサ付カメラを搭載している。組み込まれた光ファイバ白色リング光源が、顕微鏡ベースのシステムを照射する。
 「検査サンプルは、さまざまな色になるので、そのスペクトル感度に従ってカラーチャネルの優れたバランス機能のあるカメラは、色の組合せに関係なく、適切なコントラストを提供する。その他の点では、カラーチャネル利得の利用は、特殊チャネルの校正に必要である。16bit高ダイナミックレンジグレースケール画像に適用されたエッジ検出ツールが実行できる。これは、カメラのRGB応答と同等の量子効率によるものである」とゴルテル氏は話している。

図

図 顕微鏡システムは 、多色画像をとらえ 、それらを 16bitの高ダイナミックレンジグレースケール画像に変換し 、処理に使用する 。

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出典元
http://ex-press.jp/wp-content/uploads/2020/01/p13_wn_microscopy.pdf