場合によりレーザ利得ファイバの研磨より、クリーブのほうが秘訣になる

連続波(CW)ハイパワーおよびパルス高エネルギーファイバレーザは、継続的に記録を更新している。例えば、シングルファイバを利用したパルスファイバレーザによって達成された現在のピークパワーは、すでにメガワットレベルに達している(1)。特殊光ファイバは、レーザ増幅や光伝送、時には、モードフィールドや偏光状態判定にさえ用いられる。しかし、特殊ファイバ端面のキズや点欠陥が原因となり、端面から光を散乱させ、ポンプ光源の結合効率が下がる。そのような欠陥は、ハイパワー動作では、損傷にも行き着く。高品質のファイバ端面だけが、この種の損傷を防ぐことができる( 2)、( 3)。中国の北京交通大(Beijing Jiaotong University)のPh.D学生シンヤン・スー氏(Xinyang Su)とイ・チェン教授(Yi Zheng)は、先進的な研磨技術ではなく、市販のファイバクリーバを利用して品質のよいファイバ利得媒体端面を達成しようとしてきた。
 一般に利用されているダイヤモンドファイバクリーバは、スー氏によると、特殊ファイバのクリービングには最適ツールではない。それよりもむしろ、他のタイプの機械的クリーバのほうが結果がよい。これら機械的クリーバは、2種類に分かれる。第1は水平に置かれたファイバをクリーブする、それに対して第2は垂直に設置したファイバをクリーブする(一例としては、North Lab製3SAE LCC-IIファイバクリーバがある)。後者のほうが、加わるねじれ角が小さい、実際、クリーブされた端面の角度はゼロ度に近づけられる(平均クリーブ角は、0.16°)。こうした理由で、スー氏とチェン教授は、実験で3SAE LCC-IIファイバクリーバを使った。

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出典元
http://ex-press.jp/wp-content/uploads/2019/11/014_wn_fiber_lasers.pdf