HOE、SLMなしで2Dビームパターン投影位相変調半導体レーザ

2016年、浜松ホトニクス(浜松市)は、2Dビームパターンを投影できるチップスケール半導体レーザを開発した。これは、外部のホログラフィック素子、空間光変調器を必要とせず、利得媒体から直接2Dビームパターンを投影できる(1)。その後、同社研究者は継続してその技術を改善し、最近では、同技術採用の邪魔になる表面正常スポットビームなしで2次元(2D)パターンを生成できるようになった(2)。

2次元パターン投影レーザ展望

ほとんどの半導体レーザのビーム品質は、外部共振器レーザの品質と比べると著しく劣っている。しかし、半導体フォトニック結晶面発光レーザ(PCSEL)は、ビーム品質が優れている。これは共振するフォトニック結晶構造の特性を調整できるからである(3)。
 発振キャビティ自体からパターンを投影するために、デバイスは、オープンヒートシンク上に設置された、n電極(上)とp電極(下)層に挟まれたアクティブ位相変調共振器層で作製されている。変調層は、位相分布にしたがって周期的フォトニック結晶から局所的にシフトした空孔アレイで構成されている。これにより所望のグレイスケール画像、あるいは他の2次元所望パターンを生成する。
 この集積可能位相変調面発光レーザ(iPMSEL)は、同時レーザ発振と位相変調により、800×800μmチップからの遠視野で2D発光パターンを生成する。チップは、発振と位相変調のための1400×1400ホールアレイを持つ。
 位相分布は、所望のビームパターンのビットマップ画像の逆フーリエ変換である。また、MathworksまたはMATLABソフトウエアおびifft2関数を使って得られる(図 1)。このiPMSELの出力は、930nm発振波長で500mW超であり、これはデバイス設計によって調整可能である。

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出典元
http://ex-press.jp/wp-content/uploads/2019/05/010_wn_semiconductor_lasers.pdf