ディスプロシウム中赤外ファイバレーザによる3μm超ピコ秒パルス生成を実現する周波数シフト法の再発見

短パルスファイバレーザをより長波長に拡張することは、大きな挑戦である。長波長化によって、レーザ手術、防衛、呼気分析などの新しいフォトニックアプリケーションが可能になることは間違いない。中赤外(mid-IR)域では、エルビウム(Er)ホロミウム(Ho)添加フッ化物ガラスが利得媒体として使われてきた。これによりモード同期可飽和吸収体を使いピコ秒パルスの2.7 ~ 2.9μmファイバレーザが実現する。しかし、3μm超で超短パルスファイバ発振の達成は、材料の限界により成功していない。
 豪マッコリー大(Macquarie Uni versity)の研究者は中赤外短パルス光源需要の認識に基づき、2.97 ~ 3.30μm可変、33psパルスファイバレーザの開発に成功した。ここでは、ディスプロシウム添加利得ファイバと初期のレーザ開発から復活させた周波数シフトフィードバック(FSF)構成のAOTFを用いている(1)。研究者によると、これは、これまでに実証されたなかで、最長波長、最も広い可変モード同期中赤外ファイバレーザである。

FSFの再発見

標準モードロックレーザは、キャビティ変調器(可飽和吸収体)を使っている。これは、位相コヒレンスを確立するファイバキャビティ内で一連のラウンドトリップにより、連続波(CW)動作で優先的にパルスを生成する。しかしFSF(周波数シフトフィードバック)ファイバレーザは大きく違っている。キャビティ周波数シフタがそれに含まれているので、キャビティ光の波長は、ラウンドトリップごとにシフトする。

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出典元
http://ex-press.jp/wp-content/uploads/2019/01/lfwj1901wn_mid-ir.pdf