最先端のフォトニクス技術・製品が一堂に会したAll about Photonics 2018

川尻 多加志

日本の光産業は底打ちから次のステージへ!

10月17日(水)から19日(金)の3日間、幕張メッセ(千葉県千葉市)において最先端フォトニクス技術・製品総合展示会「All about Photonics 2018」が開催された。本展示会は、光デバイス・レーザ関連製品が一堂に会する「Inter Opto 2018」と深紫外市場とLED応用技術・製品展「LED Japan 2018」、さらに今年からスタートした、画像処理・イメージング技術展「Imaging Japan 2018」の3つの展示会で構成されている。
 展示会では、車載・自動運転からメディカル・バイオテクノロジー、ロボット、航空宇宙、農業までの広範なアプリケーションに必須のフォトニクス関連技術・製品が一堂に集結、同時開催の「MEMS SENSING & NET WORK SYSTEM 2018」と「CEATEC JAPAN 2018」との相互入場によって、最新のフォトニクス技術・製品・アイディアを幅広い産業界に向けて発信できる展示会となっている。
 主催者発表によればAll about Photonics と MEMS SENSING &NETWORK SYSTEMの合計で294社、297小間の出展があり、来場者数は3日間の合計で4,570人となった。なお、この数字はCEATEC JAPANからの来場者数を除いたもので、会期中はCEATEC JAPANからも多くの人々が会場を訪れていた。

多彩なセミナー

期間中は、光産業・技術関連の多彩なセミナーも開催された。
 恒例の光産業動向セミナーと光技術動向セミナーの他、今年の特別セミナーのテーマは「AlN基板上265nm深紫外LEDの実用化に向けた取り組み」であった。この他にも、テラヘルツビジネスセミナー、次世代自動車セミナー、医療×最先端技術セミナー、光×製造×IoT未来技術セミナー、最先端Imagingセミナー、初心者向けレーザー講習セミナー、JLEDS(LED照明推進協議会)セミナー、注目される光技術セミナー、応用物理学会フォトニクス分科会セミナー、産総研・北陸プロジェクトセミナー、レーザー輸入振興協会(JIAL)セミナー、出展社プレゼンテーション、スペクトラ・フィジックスレーザー微細加工ソリューションセミナーなど、盛りだくさんのセミナーが開催された。MEMS展関連でも各種シンポジウムやセミナー、研究開発プロジェクトの成果報告会などが開かれ、4展示会の合計で130ものセッションが行われた。

日本の光産業動向

最終日の19日(金)に行われた光産業動向セミナーでは、2017年度の光産業動向調査を基にした光産業全体と各分野別の全出荷額、国内生産額、市場動向が報告された。また、今年の特別講演では、データセンターの最新動向が取り上げられた。
 光産業技術振興協会・副理事長兼専務理事の小谷泰久氏は、「主催者挨拶」の中で、光産業の全出荷額と国内生産額は増加傾向にあるとした上で、太陽光発電は相変わらず調整局面にあって下がってはいるが、残りの光産業はおおむね好調で、底は脱したのではないかとの見方を示した。
 次に「光産業全体の最新動向」を講演した青山学院大大学院法学研究科教授の菊池純一氏は、日本の光産業全体の最新動向とIOA(Inter na tional Optoelectronics Asso ciation)の報告の中から、世界の光産業の最新動向を解説した。
 菊池氏は、光産業の全出荷額において次第に光部品の占める割合が上がってきていることを取り上げ、サプライチェーンの多様化の中で日本の光部品の足腰は強くなってきており、産業構造の再構築が行われているのではないかと指摘。2017年度で全出荷額が上がる見込みが示された点についても、決して瞬間風速で上がったのではないとして、その上で2020年の東京五輪後をどうするのか、そろそろ考えなければならないと述べた。

(もっと読む場合は出典元へ)
出典元
http://ex-press.jp/wp-content/uploads/2018/11/p46-47_event.pdf