浜松ホトニクス、PHOTON FAIRを開催

川尻 多加志

「光で何ができるか」をメインテーマに同社の最先端技術・製品が一堂に!講演会やセミナーも盛況

展示会場の模様

展示会場の模様

「PHOTON FAIR 2018」浜松ホトニクス総合展示会が、11月1日(木)から3日(土)の3日間、アクトシティ浜松(静岡県浜松市)で開催された。
 PHOTON FAIRは、浜松ホトニクスが主催する5年に1度の総合展示会だ。第1回の開催は1980年で、今回で13回目を迎える。同社では「光で何ができるか」をメインテーマに据えて、これまでそのビジョンや最新の技術・製品を紹介してきた。
 今回も、技術や製品の展示はもちろん、講演会や40セッションにも及ぶセミナーが開催された。同社では、今回のフェアを、その技術・製品や将来ビジョンを多くの人々が見て、光技術の多様な可能性を感じてもらう機会と位置付けている。
 1日と2日には、中ホールにおいて講演会が、コングレスホールではセミナーが開催され、展示会は3日間を通して、展示イベントホールで行われた。

光技術の可能性を展望する講演会

講演会では、各分野で活躍するキーパーソンがゲストに招かれ、それぞれの立場から光技術の持つ可能性について語った。
 同社の代表取締役社長、晝馬明氏は、光技術を「Key Enabling Techno logy」として捉え、創業時のベンチャー精神を忘れることなく、新たな光の応用産業を創り上げたいと述べ、さらに「日本のテレビの父」、高柳健次郎氏が世界で初めてブラウン管に「イ」という字を映し出すことに成功した1926年から100年後の2026年に向け、その光電変換技術を受け継ぎ、新しい「イ」の字に向けて挑戦をすると述べている。講演は、初日に行われた晝馬氏の「光への挑戦-2026年の新しいイの字にむけて-」でスタートを切った。
 続いての登壇は、カリフォルニア大アーバイン校教授のブルース・トロンバーグ氏。生体組織の構造と生化学物質の組成の特徴を、ミクロからマクロまでの領域で計測できる生体光学技術は、血液量、水分量、脂肪量、酸素飽和度、酸素消費量、心拍数、呼吸数、血流量といった生体の機能的パラメータを評価でき、今これをウェアラブルで、かつ非接触で計測できるデバイスに注目が集まっている。トロンバーグ氏は「Deve lopment of Wearable and Bed side Bio photonics Technologies for Per so na lized Health」で、その最新動向を語った。
 二日目には、トヨタ自動車・先進技術開発カンパニー常務理事の鯉渕健氏による講演「すべての人に移動の自由を-トヨタの先進安全・自動運転技術開発への取組み-」が行われた。
 数十年に渡り、世界中で人々が夢見て挑戦し続けてきた自動運転。近年、LiDARなどのセンサの性能や知能化技術の進歩により、その実現が視野に入ってきた。一方で、自動車業界だけではなくIT企業なども参入、グローバルな開発競争は激化している。
 講演では、同社の先進安全・高度運転支援システムが解説されるとともに、クルマの在り方を大きく変える、同社における自動運転技術開発への取組みと技術が紹介された。さらに、自動運転技術の実用化に向けてのルール作りなど、社会的課題も取り上げられた。
 昼食を挟んでの講演は、スタンフォード大医学部循環器科主任研究員の池野文昭氏の「光技術が医療を通じて世界に貢献するために」。

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出典元
http://ex-press.jp/wp-content/uploads/2018/11/p8-9_event_hamamatsu.pdf