ブルーダイレクトダイオードレーザが産業レーザ機能を拡張
ハイパワー 、高輝度ブルーダイレクトダイオードレーザシステムは 、銅を高効率 、低過熱加工する。
レーザは、エネルギーを正確な場所に供給できる柔軟なツールである。柔軟で正確なエネルギー送達は、多くの産業アプリケーションにとって望ましいが、送達エネルギー量が作業実現に十分でありさえすればよい。例えば、溶接、切断、クラッディングはすべて、産業用レーザの立派な候補である。しかし、最近まで、これらのアプリケーションで使える十分なパワーを持っているレーザは赤外(IR)レーザしかなかった。米ヌブル社(NUBURU)は、最近、新しいタイプの産業用レーザを開発した。光ファイバを結合したブルーレーザダイオードで構成されるハイパワーブルーレーザである(図1)。最初の商用製品、AO-150、は150W 450nmレーザ光源で、その出力は200μm径光ファイバに結合されている。
多くのアプリケーションで、ブルーレーザは、IRレーザに対して複数の本質的な強みがある。第1に、より短波長になると、多くの一般的な産業用材料の吸収性が強くなるからである(図2)。例えば、銅および多くの他の金属の溶接は、IRの場合と比べると青色波長では、はるかに効率がよい。積層造形(3Dプリンティング)に使用される多くの材料も、青色波長での加工効率が優れている。
材料加工にとって青色光の基本的な物理的優位性は、誰でも知っていることであるが、産業アプリケーションでの青色光の利用は、ハイパワー青色レーザ発振を可能にする技術進歩を待たねばならなかった。
青色化
ブルーレーザを使う溶接の利点は、吸収の基本的物理学からくる。そのような固有の利点は、生産的となるだけの十分な光パワーを供給するブルーレーザなら、どれからでも引き出すことができる。
第1の重要要素は、ダイオード光源そのものである。窒化ガリウム(GaN)ベース半導体技術は、急速に進歩し、一般固体照明や関連アプリケーションへ向かって進み、そこから恩恵を得ている。この一例は、独オスラム社(Osram)のブルーレーザダイオード・マルチダイパッケージ(PLPM4 450)である。これは、20の個別マルチモードダイオードを単一のパッケージに統合し、総出力>60Wを供給する。AO150は、4つの独立したパッケージからの個々のダイオード出力を統合し、半自動プロセスでアクティブアライメントしている。
すべてのレーザダイオード同様、個別素子の出力は非対称であるので、各出力は、まずは、速軸、遅軸コリメータで円形化される。これらのマイクロ光学素子は、ダイオード技術の発展にしたがい随伴開発される。コリメーション後、各ビームの発散は、1.5×4.3mradとなる。次に個々のビームは、チップモジュールのおのおのからのギャップを満たすように一連のパターンミラーでインタリーブされる。追加のマクロオプティクスにより、約130×225μm集束ビームサイズになる。これは、200μm光ファイバへの効果的結合には大きすぎる。
ビームは次に一連の光学素子で、さらに調整される。これには、偏光素子、2.5Xシリンドリカルテレスコープ、非球面結合レンズが含まれる。ファイバ入力点で、有効開口数0.22、ビームサイズ125×129μmである。結果は、約95%の効率である。これには結合効率とファイバ損失の両方が含まれている。図3に示したように、出力ビームプロファイルは、よく調整されていて、非常に対称的である。
AO-150設計は、約190W連続波(CW)動作が可能であるが、供給システムは、レーザの長寿命を保証するために150W出力で動作するように設定されている。安定した機械的、熱的設計、クローズドループ水冷とともに、1000時間で3%を上回るパワー安定性を実現している。
このようにシステムエンジニアリングの詳細に注意を払う理由は、青色波長レーザが、多くの産業アプリケーションでIRレーザを凌ぐという期待である。最初のテストで、その期待の正当性は実証された。
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出典元
http://ex-press.jp/wp-content/uploads/2018/11/p28-30_ft_novel_lasers.pdf