光熱電ナノピンセットで粒子捕獲効率改善

米テキサス大オースティンとペンシルバニア州立大およびスペイン、ロサンゼルス、トルコの研究者の協力による光熱電ナノピンセットの開発は、ナノフォトニクスやコロイド粒子科学(1)に多くのイノベーションを約束するものである。彼らのナノピンセットは、シンプルなオプティクスを備えており、実用的な可変波長と低消費電力を特徴としている。
 ほとんどの光ピンセットは、金属ナノ粒子を操作するために高いレーザパワーを必要とする(数十から数百mW)。従って表面分子、あるいは金属粒子自体に損傷を与える可能性がある。さらに、レーザ光源によって励起された局所的表面プラズモンにより吸収が増え、それに続いて粒子の加熱、光散乱を起こす可能性があり、これらすべてがトラッピングの不安定性を強める。
 逆に、光熱電ナノピンセット(OTENT)はイオン種を周囲の熱源から分離し「熱電場」を作り出すことによってこの加熱(光熱効果、つまりジュール損失)を活用する。この「熱電場」によってナノ粒子は、トラッピングサイトに誘導され、低レーザパワー、1粒子分解能でこれができる。

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出典元
http://ex-press.jp/wp-content/uploads/2018/09/p10_wn1_scientific_lasers.pdf