微小光学研究会 特別セミナーを開催

川尻 多加志

光学の基礎とこれからの応用を学び、未来を探索!

6月12日(火)と6月13日(水)の両日、東京大先端科学技術研究センター ENEOSホール(駒場Ⅱキャンパス)において、応用物理学会 微小光学研究会主催による第20回微小光学特別セミナーが開催された。
 20回目を迎えるこのセミナーは、本格的に研究活動を始める大学院生や光関連の商品開発を担当することになったフレッシュな企業研究者を対象に、幅広い知識を得るための足掛かりになればという趣旨で企画されたものだ。「微小光学 -基礎とこれからの応用-」というテーマが表すように、基礎的な光学関連分野のキーデバイスやキーテクノロジーを幅広く網羅した内容となっている。

伊賀健一氏

微小光学研究会代表 伊賀健一氏

微小光学研究会

 微小光学研究会は1980年12月、応用物理学会の分科会である光学懇話会(現在の日本光学会)の一研究グループとして、微小光学研究の推進および微小光学技術の普及/発展をはかることを目的に発足した。これまで研究会などの主催、国際会議の運営、微小光学研究分野に関わる広報活動、その他、本研究会の目的達成に必要な事業・活動を行ってきた。名称は、応用物理学会 日本光学会微小光学研究グループから、2015年1月には応用物理学会 微小光学研究会に変わった。
 研究会の主な委員は、代表:伊賀健一氏(元東工大)、副代表:後藤顕也氏(元東海大)、運営委員長:中島啓幾氏(早大)、運営副委員長:波多腰玄一氏(早大/元東芝)、実行委員長:横森清氏(ナノフォトニクス工学推進機構)、実行副委員長:宮本智之氏(東工大)の面々だ。
 同研究会では、微小光学および関連分野の最新トピックスについて、当該分野および関連分野の今後の展開に向けた討論を活発に行うことを目的とした研究会、「微小光学研究会」を年に4回開催している。この講演論文は「Micro optics News」に掲載される。
 国際会議としては、微小光学素子とそれらを用いたシステムや関連分野に関する最新の研究成果を発表し議論するとともに、この分野の発展のための討論を活発に行うことを目的とした「MOC(Micro Optics Confer ence)」を2年に1回、西暦の奇数年には国内で、偶数年には海外で開催している。
 国内においてMOCのない偶数年には、微小光学分野の理解を深めるために、重要領域の基礎や注目領域などを短期間で幅広く学べる機会を提供する「微小光学特別セミナー」を開催している。今回取材したのが、このセミナーだ。このほか、当該分野の専門書籍の出版も行なっている。

特別セミナープログラム

今回のプログラムは以下の通りだ。
なお、ここで表記されている「ディスカッサー」については、後述を参照していただきたい。
6月12日(火)
(1) 開会の挨拶:横森清氏(所属・前掲)
(2) レンズ光学-幾何光学の基礎といろいろな光学機器-:森伸芳氏(山下電装)/ディスカッサー:志村努氏(東大)
(3) 計算イメージング-光学における情報科学のインパクト-:堀崎遼一氏(阪大)/ディスカッサー:横森清氏(前掲)
(4) 光導波路-導波の原理と光集積回路への応用-:高橋浩氏(上智大)/ディスカッサー:浜本貴一氏(九大)
(5) 光変調と光スイッチ-似て非なる機能と性能-:中島啓幾氏(前掲)/ディスカッサー:後藤顕也氏(前掲)
(6) VCSELフォトニクスと光制御・操作:小山二三夫氏(東工大)/ディスカッサー:東盛裕一氏(ツルギフォトニクス財団)

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出典元
https://ex-press.jp/wp-content/uploads/2018/07/event_focus.pdf