スタック技術を利用した高出力青色半導体レーザ

井上 憲人

独レーザーライン社(Laserline GmbH)は、「2018国際ウエルディングショー」に併せてプライベートセミナーを開催した。セミナーでは、「最新の自動車車体向け半導体レーザアプリケーション&新しいビームシェイピングトレンド」、高出力青色半導体レーザの開発状況などが紹介された。

レーザーライン社の高出力化技術

 レーザーライン社は、1997年設立された高出力半導体レーザおよび、それを利用した加工システムを製品化しているドイツの企業。同社によると、装置の納入実績はグローバルで4500台を超えており、従業員数は現在、320名に達している。
 セミナーでは、同社のコア技術、「最新自動車車体向けダイオードレーザアプリケーション&ビームシェイピングの最新トレンド」、「高出力ダイオードレーザの最新産業アプリケーション」が紹介された。
 自動車車体向けアプリケーションでは、ドイツの自動車メーカーのAudiの製造で採用されているレーザーライン社製品の利用例をあげて最新アプリケーションを紹介した。ここでは、同社のコア技術について皆川邦彦氏の紹介を見ておこう。
 レーザーライン社のコア技術の1つは半導体レーザダイオードであるが、高出力化のための積層化技術に同社の特徴がある。LD素子から最大300W超を出力するレーザバーを層状にスタックすることで500W〜4kWを出力する積層LDスタックモジュールとすることができる(図1)。さらに、そのスタックモジュールを組み合せることで波長合成、偏波合成して最大25kWを出力するシステムが実現する。同社製品、LDF製品ファミリーの最大出力は25kWとなっている。
 これ以外にも同社のユニークな技術として、皆川氏は、ビームコンバータ搭載の製品モデル、「ハイブリッドレーザ」を紹介した。これは、半導体レーザ出力を分岐し、一方をアクティブファイバに入力し、ファイバレーザに変換することによって、半導体レーザの出力とファイバレーザの出力の両方を利用することができる、まさに半導体レーザとファイバレーザの「ハイブリッド化」された技術である。

図1

図1 青色ダイオードレーザスタック。

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出典元
https://ex-press.jp/wp-content/uploads/2018/05/event_focus_ll.pdf