光量子回路につながるダイヤモンド集積シングルフォトンディテクタ

米ハーバード大の研究者はダイヤモンドナノフォトニクスを開発している。ダイヤモンド欠陥中心から出る光を生成、操作、検出することで、より優れた、一段と高帯域の超伝導ナノワイヤシングルフォトンディテクタ(SNSPD)を設計する。これは集積量子光回路の構築に使える(1)。
 ダイヤモンドの広い光透過率、広いバンドギャップ、大きなカー非線形性、高屈折率により、ダイヤモンドは、非線形周波数変換、量子情報処理、および他の新しいナノフォトニクスアプリケーションにとって極めて魅力的な材料である。

ダイヤモンド導波路 SNSPD

従来のSNSPDは、極薄膜に描き込んだ4nm ~ 8nm厚のナノワイヤで構成されている。ワイヤが入力フォトンを吸収するとき、形成される小さな抵抗ホットスポットが電圧パルスを生成し、それが増幅され、計測される。他のシングルフォトンディテクタと比べて、SNSPDは一般に検出効率が優れており、低ダークカウント、低タイミングジッタであり、改善されたカウントレートに対するフォトン感度が高い。
 直接検出のために、ダイヤモンド欠陥中心からの発光をSNSPDに導く目的で研究チームは、独立の三角形構造を直接ダイヤモンド基板にエッチングすることによってダイヤモンド導波路を作製した。利用したのは、傾斜エッチング製法である。この製法を利用することで細い構造が、わずかに拡張した導波路を周期間隔で支持している。導波路は、一辺が約500nmの正三角形で、窒素またはシリコンの空孔が埋め込まれており、照射をSNSPDに導くようになっている。

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出典元
https://ex-press.jp/wp-content/uploads/2017/07/LFWJ1707_WN2.pdf