外科医の広い支持を集めようとする拡張現実プロジェクト

『ポケモンGO』で、画像にデジタルデータを重ねられるようになって1年が経つ。そして、『ニューヨークタイムズ』が2014年7月に報じたように、外科医のパイオニアは「視野に医用画像を浮かべる」ためにグーグルグラスをテストしてきた。外科医向けの拡張現実(AR)は、1990年代以降ポピュラーなコンセプトであるが、外科医の自然な視野と患者データを組み合わせるツールはいまだに広く実現されていない。
 医師に容認されるためには、AR体験の質が大きな決定因子であることを欧州の科学者は知り、バーチャルコンテンツとリアルワールドを空間的、光度的、時間的に効率よく統合することに努めている。3年間にわたるビデオ・光学シースルーAR手術システム(VOSTARS:Video Opti cal See-Though Augmented Reality surgical Systems)プロジェクトは、欧州のフォトニクスパブリックプライベートパートナーシップを通じてホライズン2020から381万6440ユーロの予算を獲得し、2016年に立ち上がった。プロジェクトパートナーはイタリア、ドイツ、イギリス、フランスを代表しており、多くの医師にとって最も人間光学的、翻訳可能なソリューションはヘッドマウントディスプレイ(HMD)であるとする意見に基づいて取り組んでいる。

初のハイブリッドシステム

VOSTARSは、コンソーシアム内で得られた知見をもとに、既存システムの最もよい面を活用しようと考えている。現在のAR HMDは、光学シースルー(OST)とビデオシースルー(VST)という2つあるカテゴリのどちらか1つに入る。マイクロソフト社のHoloLensのようなOSTシステムでは、半透鏡によってコンピュータ生成した少量の像をユーザーの視線に重ねることができる。オキュラス社のRiftヘッドセットのようなVSTシステムでは、バイザーに設置された2つの外部カメラがとらえる像とバーチャルコンテンツを重ねる。ユーザーは仮想世界に没入し、スクリーンを通じて体験する。

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出典元
https://ex-press.jp/wp-content/uploads/2017/07/LFWJ1707_WN3.pdf