不快要素がない非侵襲的結腸内視鏡検査

結腸がんは、西洋ではがんによる死因の第2位であり、早期に発見できれば基本的には予防または治療可能だ。光学結腸内視鏡検査は、今日では標準的なスクリーニング手法であり、優れた感度と特異度をもつ。ところが、経験した人なら、なぜこの検査を人々が避けたがるのかわかるだろう。侵襲的な方法にはリスクがあるだけでなく、事前の準備も必要になる。そして、不快感だ。
 従来法が抱える数多くの制限を克服して、コンプライアンスとスループットを向上させようとする技術には、多くの人がありがたく思うだろう。イスラエルのチェックキャップ社(CheckCap)のC-Scanイメージングカプセルは、非侵襲的なスクリーニングが可能なだけでなく、高度なX線技術を使用する。この技術は光学と異なり、腸の内容物を透過して観察できるため、恐ろしい腸の全処理が不要になる。
 カプセルは、体外から操作する機器よりもはるかに少ない放射線量で、結腸内層をイメージングする。さらに、カプセルが動作中のみ、超低量のX線透過が起きる。その結果、全結腸イメージングには、胸部X線や現在行われているほとんどのイメージング法と同程度の放射線量しか必要としない。
 C-Scanの距離分析(腸壁と後方にX線を透過して計測)によって、結腸内壁の360度走査が作られる。これにより、臨床的に重要なポリープを高い感度で検出できる(図1)。
 チェックキャップ社のビル・デンセルCEO(Bill Densel)によると、適切に機能するために、カプセルの光子検出器には高電圧を要する。米エフィシェント・パワー・コンバージョン社(Efficient Power Conversion)の窒化ガリウム部品によって、「必要な電力を供給し、カプセルに収まる極小サイズである検出器用発電装置を開発できた」。

図1

図1 チェックキャップ社の使い捨てカプセルC-Scanは、超低量のX線を用いて360度走査を作成する。この走査は、結腸内容物を透過して、腸層にあるがん性や前がん性のポリープを検出できる。

(もっと読む場合は出典元へ)
出典元
https://ex-press.jp/wp-content/uploads/2017/05/LFWJ1705_WN2.pdf