指向性照明アプリケーションで白色レーザがLEDに挑戦

既存のハロゲン光源とメタルハライド光源は、非常に指向性の強いビームを出せるが、効率が低く短寿命である。また発光ダイオード(LED)は非常に高効率で長寿命であるが、コンパクトなLED照明から発散角<10°を作り出す のは難しい。米ソラーレーザ社(SoraaLaser)のエンジニアは、初の商用固体、高指向性、高効率白色レーザ光 源を開発することでソリューションを 手に入れた。この光源の輝度は、LED 照明器具と比較して最大100倍優れて いる(1)。
 半極性窒化ガリウム(GaN)レーザダイオードと蛍光体を用いて、同社は、白色光表面実装デバイス(SMD)を作 製した。同デバイスは、300μmの発 光面から最大500ルーメンを出力し、コリメートされたビーム角は、小型光学系から1 ~ 2°が可能である。

ダイオード励起蛍光体

この白色光レーザSMDと照明装置を作るために、高出力青色窒化インジウム・ガリウム(InGaN)半極性レーザダイオードが、非常に小さな遠隔の蛍光体ターゲット(<300μm径)を励起す る。ターゲットは、レーザ光をアイセーフ、ブロードスペクトル、インコヒレントな白色光に変換する(図 1)。1インチ径光学素子から発散角2°以下の高指向性光が可能になる。
 c面方位のレーザダイオードと比較して、半極性GaNデバイスは利得が3 ~ 5倍高い。これは、半極性方位が内部の静電界を除去し、電子とホールのオーバーラップが最大となるからであ る。出力3 ~ 5Wの半極性青色レーザダイオードは、結果として得られるSMDのエンジンとして用いられる。またLEDと違い、レーザダイオードはドループの影響を受けない。ドループとは、オージェ再結合により電流が高くなればなるほど効率が著しく低下することである。

図1

図1 表面実装デバイス(SMD)パッケージには、青色半極性レーザダイオード、レーザが照射する蛍光体およびブロッキングオプティクスが組み込まれている。ブロッキングオプティクスによって、白色インコヒレント光だけがパッケージから出力される(挿入図)。(図提供:ソラーレーザ社)

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出典元
https://ex-press.jp/wp-content/uploads/2017/05/LFWJ1705_WN1.pdf