バイオとそのかなた:OCTの進展がイメージングのスケールコストの障害を打ち破る

企業やアカデミアに所属する研究チームは、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)におけるブレークスルー、すなわちメートルスケールのOCTを歓迎している(1)。性能が以前より劇的に向上しただけでなく、高パフォーマンス、低コストのシステム実現の前触れでもある。さらに、生体医学に加えて、工業アプリケーションの広い分野においてインパクトをもたらしている。
 OCTが眼科学において最も大きな成功を成し遂げ、消化器病学、心臓学、皮膚学などの他分野においても内視鏡検査や表層イメージングなど、最も有望な技術であることは驚きではない。マイクロスケールの解像度で高スピードに、そしてミリメートルからセンチメートルスケールの幅の深さでボリュームイメージを作成する。
 しかし、立方メートルボリュームで高スピードの3D OCTイメージングを研究者が報告すれば、パラダイムシフトが起きるだろう。米マサチューセッツ工科大のジェームズ・G・フジモト氏(James G. Fujimoto)の研究室では1990年代に共同研究者とOCTを開発したが、彼らの新しい「長距離」または「マクロスケール」のOCTは、「以前の3次元OCTで示されたものよりも、少なくとも1ケタ大きい深い幅とボリュームである」ことを証明した。
 この数年後、フジモト氏と共同研究者は、1.5mを超えるさまざまなものを15μmの解像度で測定しており、多くの新たなOCTアプリケーションを想像しやすくなっている。例えば、モニタリングを処理する高度な医学イメージング、非破壊検査、技術的計測などだ。

ブレークスルーを可能にする

新たな領域のオペレーションでは、「光源、統合された光受信機、信号処理において極めて高パフォーマンスなものが要求される」とフジモト氏は述べる。ブレークスルーをもたらすのは、チューナブルの垂直共振器面発光型レーザ(VCSEL)源と、遠隔通信アプリケーション用にデザインされたチップベースの光受信機だ。研究者は自分たちの仕事が、導波器の統合、光検出器、掃引レーザ、チップベースのOCT干渉計を含むフォトニック集積回路(PIC)開発の目覚ましい進歩の上に成り立っていることを自覚している。
 米ソーラボ社(Thorlabs)と米プリビウム・リサーチ社(Praevium Research)が開発したVCSELは、小型の微小電気機械システム(MEMS)機器を使用する。これは、レーザの波長を経時的に素早く変化させる掃引源OCTを実行するためだ。論文の共著者であるMITとソーラボ社のベン・ポツェイド氏(Ben Potsaid)は、VCSEL源のコヒーレンス長は他の適切な掃引レーザ技術よりも1ケタ長いことが研究により明らかになったため、長距離アプリケーションの可能性が見えたと説明した。

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出典元
https://ex-press.jp/wp-content/uploads/2017/03/wn04_optical_oherence.pdf