高繰り返しレート、サブナノ秒固体レーザのアプリケーション

人工衛星レーザ測距実験に採用

独イノラス社は、高繰り返しレート、短パルスのコンパクト固体レーザ光源を製品化している。UV、可視光、NIR波長で高エネルギー、サブナノ秒動作が特徴である。独自の高速スイッチング技術を利用した、アクティブQスイッチレーザ製品はサブナノ秒(1ns以下)のパルス幅でkHzクラスの繰り返しレートが可能。「picolo AOTのレーザパルスは競合技術と比べるとケタ違いに短パルス」と説明している。
 こうした特徴を持つQスイッチレーザのアプリケーションは、多種多様であるが、数あるなかでドイツ航空宇宙センターの人工衛星レーザ測距(SLR)実験のトランスミッタに用いられているpicolo AOT-1 MOPAを見ておこう(1)。
 2016年5月に発表された報告によると、SLRのレーザトランスミッタシステムは、3つの部分で構成されている。レーザ、オプティクスを結合したファイバ、天体望遠鏡マウントに設置されたビーム成形ユニット。レーザ光は1/2波長板、偏波ビームスプリッタ、ビームウォークを介してMMF(50μm径、NA 0.22)に結合するセットアップになっている。SLR計測で光ファイバを利用するトランスミッタ設計は初めてだと言う。
 トランスミッタで使用されるレーザは INNOLAS picolo AOT-1 MOPAである。出力約75mW、繰り返しレート3kHz、波長1064nm。アクティブQスイッチNd:YAG MOPAシステムは1064nmで動作し、レーザパルス源として用いられている。3ns幅の直線偏向レーザパルスを生成し、繰り返しレートは1kHz ~ 10kHzの間で可変。

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出典元
https://ex-press.jp/wp-content/uploads/2016/11/LFWJ1611vf.pdf