電子・フォトニックICに2Dジカルコゲナイドが有望

フォトニック回路と電子回路のモノリシック集積には、単一材料プラットフォームが望ましい。1958年、テキサス・インスツルメンツ社(TI)のジャック・キルビー氏は同じ半導体上に全ての電子コンポーネントを作製することの重要性に気づき、最初の集積回路(IC)を実証した。従来の半導体の問題は、たとえ発光できても、バンドギャップによる吸収が弱いために同じ波長で光を吸収できないことである。言
い換えると、ディテクタとトランスミッタ間の光通信は、高価な波長変換あるいはハイブリッド材料スキームなしでは同じ材料上で実行できない。
 とは言え、二次元(2D)遷移金属ジカルコゲナイド(TMD)が、電子と光の両方のデバイス向けに有望な、新しい種類の半導体ナノ材料として登場してきた。TMDにおける発光・吸収共鳴、つまり同じ波長で光の発光と吸収の両方ができる材料の能力は、その大きな励起子結合エネルギーによって可能になる。これら2D TMDは並外れた光特性と電気特性を持っており、それらを使って電界効果トランジスタ(FET)、フォトディテクタ、発光ダイオード(LED)やレーザなどの電子デバイスとオプトエレクトロニックデバイスを作製してきた。
 2D TMDを用いて、中国の電子科技大(UESTC)、米ヒューストン大、ライス大、ベイラー大の研究者たちは、二硫化タングステン(WS2)を用いて、共鳴光発生と表面プラズモンポラリトンの検出を実証した。WS2は、2DTMD材料が電子・フォトニックICに理想的であることを証明しているTDM(1)である。

(もっと読む場合は出典元へ)
出典元
https://ex-press.jp/wp-content/uploads/2016/11/LFWJ1611wn2.pdf