強い集束ビームのナイフエッジ型プロファイリングに基板材料が影響

ナノオプティクス、プラズモニクス、顕微鏡で多く利用される強く集光されたレーザビームは非常に多くのビームプロファイリング法で解析できる。古典的な選択肢のひとつにナイフエッジ型ビームプロファイリングがある。この場合、非常に平坦な剃刀の刃のようなナイフブレードが、異なる軸位置の集光レーザビームの先細になったウエスト部分によりスライスされる。ブレードにブロックされないビーム部分の光強度がフォトダイオードによって記録され、測定しているビームの断層表示が蓄積される。
 ナイフの寸法、つまりナイフが造られている材料の寸法と入力レーザビームの偏向と波長がすべて、ビームプロファイルが再構築される強度データの精度に影響することは以前から知られていたが、独マックス・プランク光科学研究所とフリードリヒ・アレクサンダー大エアランゲン・ニュルンベルクの研究者たちは、ナイフブレードが作製される基板材料も最終的なビームプロファイル結果に影響することを実験的に証明した(1)。

材料の相互作用

研究対象の光ビームとナイフ自体との相互作用が、計測された強度曲線の位置、結果的には再構築されるビーム投影をゆがめてシフトさせる。主要な影響は、例えばテスト中のビームによる金属ナイフ材料のプラズモン励起が考えられる。
 研究者は、様々な基板材料で、高さ130nmと70nmの金のナイフ構造を使用して多くの実験を考案した(図1)。

図1

図1 ナイフエッジ型ビームプロファイリング実験に3つの異なる基板材料を使用。GaAsフォトダイオードまたはシリコンフォトダイオード(a)、BK-7ガラス+屈折率整合オイル+シリコンフォトダイオード(b)。ビームは、0.9開口対物レンズで集光(c)、基板またはフォトダイオード上のナイフは、偏向の影響を考慮に入れるために、2つの直交方向(e)でビームプロファイル(d)を通してスキャン(資料提供:マックス・プランク光科学研究所)。

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出典元
https://ex-press.jp/wp-content/uploads/2016/11/LFWJ1609wn2.pdf