フォトニクスとエレクトロニクスの共集積に役立つフィン光導波路

光を閉じ込める集積オプティクス光導波路の能力は通常、低屈折率材料の連続層上に導波路を構築することによって作製される。その導波路は、全反射によって光を伝搬させる。例えば、シリコンフォトニクスでは通常、二酸化ケイ素(SiO2)の連続層がシリコン導波路網の下に置かれ、シリコンフォトニクスが機能する。
 しかし、シリコンフォトニクスでは、低屈折率層が連続的であるということが、フォトニクスとエレクトロニクスとの集積では問題となる。他のタイプの集積フォトニクス、例えばIII-V半導体、シリコンカーバイド(SiC)、あるいはダイヤモンドでは、必須の低屈折率材料埋込層が構造を弱くし、製造を難しくする。
 この問題を解決するために、ペンシルバニア大、電気・システム工学部、量子工学研究所の研究者、リチャード・グロート氏とリー・バセット氏は、光閉じ込めと、同じ材料の基板との物理的接続が同時にできる導波路形状を考案した(図 1)(1)。
 そのフィンは、下位部分の低屈折率材料とその上のより屈折率の高い材料によって広がり、上部で光を搬送できるだけの高い有効屈折率となるが、下位部分ではそうはならない。基板に対する重要な物理的結合は維持される。

図 1

図 1 ダイヤモンドベース集積フォトニクスにおけるフィン導波路の例は、ダイヤモンド導波路の光搬送部分とダイヤモンド基板との物理的な接続を示している。空気中の導波路だけでは薄すぎて基本モードを伝搬できないが、その上の部分に加えた窒化シリコン(Si3N4)閉じ込め層により、導波路の上部が光を伝搬できるようになる。導波路の下位の大部分に広がる低屈折率SiO2バッファ層は、導波路を支持するが、下位部分の光搬送モードを完全に除去する。

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出典元
https://ex-press.jp/wp-content/uploads/2016/07/LFWJ1605_P10_wn01.pdf