ファイバYスプリッタで7コア光ファイバ対処

過去数年、実験的光ファイバシステムのデータ伝送レートは、テラビット/秒レンジのかなり先まで到達した。そのようなスピードを達成するのに役立った構成には、起動角運動量(OAM)と波長分割多重(WDM)との組合せがあり、これによって短距離ファイバ通信で100Tb/sを達成した。差動4位相偏移変調(DQPSK)とのハイブリッド統合では、1本のファイバ160kmで14Tb/s、光高速フーリエ変換(FFT)スキームでは1本のファイバ50kmで26Tb/s、さらにマルチコアシングルモードファイバを利用すると、ファイバ長1kmで255Tb/s伝送が可能になった。
 最後のアプローチは、7コア三角アレイの形態が多いが、比較的単純なファイバデザインであり、これはデータレートを大きく伸ばすことができる(コア間のクロストークが最小化される限りで)。とは言え、7コアファイバの利用が簡単でないポイントは、光の出入りをファイバに結合する、また伝送中の光を管理するコンポーネントのデザインにある。この点で役立つように、サウジアラビアのキングサウード大(KingSaud University)のエハブ・アワド氏は、マルチコアの非分離を必要とするマルチコアファイバ用に2.4㎜長のYスプリッタを設計した。

数値シミュレーション結果

まだ作製されてはいないが、7コアファイバ向けにこれまでに数値的にシミュレートされた設計は、多数の異なるYスプリッタ導波路層(層1つが各コアに対応)に依存している。全ての層が新しいダブルハンプ・グレーデッドインデックス(DHGI)プロファイルを持っており、これにより光パワーを二等分する(図1)。入力と2つの出力ファイバはYスプリッタに対して、その軸周りに回転し、最終的にすべての7コアがスプリッタに対して異なる水平面に存在する。これにより、分離した導波路層が7コアのそれぞれにアクセスできるようになる。

図1

図1 入力マルチコアファイバ(MCF)の7コアからの光は、グラディエントインデックス導波路オプティクスの 7層をベースにして Yスプリッタによって個別に分離される。入力と出力両方のMCFは、切断されてYスプリッタと接触するように置かれている。

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出典元
https://ex-press.jp/wp-content/uploads/2016/01/LFWJ_Jan16_wn04.pdf