OIDAレポート、フォトニクスに向けて脱集中化ロードマップ

2015年3月22日、米国OSA産業開発協会(OIDA)による光ネットワーキングに関するワークショップの第5回目がカリフォルニア州ロサンゼルスで開催された。統合アクセスネットワークセンター(CIAN)が共同議長、全米科学財団(NSF)が支援した。概要は、「OIDA報告書: 脱集中化データセンターに向けたフォトニクス」で見ることができる。
 OIDA報告書の意図は、フォトニックコンポーネントに関連して、データセンターネットワークの脱集中化という新たなテーマに対処することだった。つまり、シリコンフォトニクスや他の光コンポーネントは、今日の柔軟性のないデータセンターネットワークを変えてモジュラー方式を強めると考えられている。モジュラー方式では、マザーボード、ネットワークインタコネクト、またソフトウエアモジュールでさえも取り替え可能であり、標準化される。例えば、多数のベンダーオプションが、独立して動作する個別のデバイスとして「プラグイン」し、真にスケーラブルなデータセンター運用に簡単にアップグレードできる。
 ワークショップのプレゼンテーションや議論から、いくつかの重要所見、提案された脱集中化アーキテクチュア、データセンターオプティクスにおけるギャップ/機会が提示され、OIDAレポートに採り入れられた。

重要所見

効率的なシリコンフォトニクス、他のハイブリッド、あるいは集積半導体や光アーキテクチュアの開発は、インテル(Intel)、IBMなどの大企業、またインフィネラ(Infinera)やラクステラ(Luxtera)など多くの光集積回路(PIC)トランシーバーメーカーが情熱を傾けてきた。また、今ではフェイスブックのオープンコンピュートプロジェクト(OCP:www.opencompute.org)
の軌跡の一環となっている。脱集中化データセンターの細目はプレイヤーによって異なっているが、高速光インタコネクトによってモジュールアーキテクチュアが可能になると言う点でプレイヤー全員が一致している。
 特に、オプティクスはラックとラックを結ぶようなリンクの脱集中化には最適であるが、1mあるいはそれ以下のエレクトロニクスが主流のラックシェルフ内部の短いリンクにはまだ適していないとレポートは指摘している。同レポートは、光でもエレクトロニクスでも、リンク仕様を定めるところまで踏み込んでいる。モジュラー脱集中化を可能にするために必要な、伝送距離、帯域、遅延、消費電力、物理的設置面積、コストを定めている(図1)。

図1

図1 多様なリンク距離におけるインタコネクションのコストを要約している。米マサチューセッツ工科大(MIT)は、光インタコネクトが電気に勝るしきい値は、帯域-距離製品が1Tbit-cm/s(あるいは10Gbit-cm/s)を超え、結果的にオプティクスが魅力的になる時である、と指摘している。これはボードレベルのインタコネクトでも同様である(ライオネル・キマリング提供、MIT)。

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出典元
https://ex-press.jp/wp-content/uploads/2015/11/LFWJ1511_p12-13.pdf