フォトニック結晶とメタマテリアルを融合した可変ハイパークリスタル

米メリーランド大(University of Maryland)カレッジパーク校と同じ州にあるタウソン大(Towson University)の研究チームは、フォトニック結晶とメタマテリアルの最も興味深い特性を融合し、全く新しい材料、ハイパークリスタルを実現した(1)。この新しい材料は、長波長赤外領域(LWIR)で相対的に、低損失の広帯域性能を示している。また、この材料は、自己組織化によって製造できる。人工の3D材料の製造が2Dリソグラフィ技術を使って簡単にできないことを考えると、この点は重要な特性である。

両方の最もよいところ

フォトニック結晶は、一般に光波長のような周期性がある一方、メタマテリアルは遙かに小さな周期性で作製できる。双曲線メタマテリアルの誘電率は、直交の方向が違えば符号も違う。これらのハイパークリスタルの製造工程は、外部の磁界をコバルトナノ粒子ベースの希釈磁性流体に適用する必要があるので、この誘電率関数は維持され、回折限界よりも遙かに小さな光波長が許されることになる。
 フォトニック結晶と同様に、ハイパークリスタルは製造工程によりフォトニックバンドギャップも持つ。磁界は、自己組織化された縞(ストライプ)の周期模様を誘発する。この周期的な縞模様は、ナノ粒子リッチとナノ粒子プアに相分離したことによって起こされたものである。また縞の周期性は、双曲線周波数域のフリースペース波長よりも遙かに小さく、自己組織化光学媒体がフォトニックハイパークリスタルであることを示している(図1)。

図 1

図 1 顕微鏡画像は、コバルトナノ粒子ベースの希釈フェロ流体を示している。外部視界を当てる前(a)、後(b)。流体はコバルトリッチ相とコバルトプア相に分離し、自己組織化ストライプを造る。これは、磁界の方向に沿って方向付けられている(資料提供:タウソン大)。

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出典元
https://ex-press.jp/wp-content/uploads/2015/07/LFWJ1507_wn1.pdf