レーザでショウジョウバエをコントロールし行動学研究

光遺伝学では、生体内で光によって神経細胞を操作し、脳や神経系の働きの理解の助けにする。これには、社会的研究、行動学的研究などの高度な研究も含まれる。光遺伝学で重要な技術は、遺伝子組換え動物を使用することだ。それにより特定の神経回路を光プローブで標的にしやすくなる。
 台湾新竹の国立精華大と玄奘大、台北の中央研究院、カルフォルニア大サンディエゴ校の研究グループは、一般的なキイロショウジョウバエの記憶を研究するために、自動レーザ追跡・光遺伝学操作システム(ALTOMS)と言う光遺伝学セットアップを開発し、改善を進めてきた。非侵襲システムは同時に熱「パニシュメント」(ハエがその行動を変える刺激となる)、チャネルロドプシン2(ChR2)とチャネルロドプシンの赤色移動異種(ReaChR)を同時に活性化することができる。これは特定のニューロンを活性化したり抑制したりするのに役立つ。ALTOMSには、ハエを追跡するためのリアルタイム画像解析システムも含まれている。
 研究グループは、ALTOMSがショウジョウバエの行動実験に使えることを示した。例えば、このシステムはショウジョウバエの脳の記憶回路のマッピングに使用できると研究グループは見ている。

3色(波長)システム

このシステムは3波長を装備している、1064nmは熱パニシュメントを与える(初期のセットアップでは青色レーザを用いていた。青色はハエに見えるので、ハエは相容れない反応を起こした)、473nmと593nmは、ChR2とReaChRを活性化するための波長。ビームは、ガルバノミラーを用いてハエに向けられた。選択肢としてはデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)があり、DMDを用いるとセットアップは神経系の発動に任意の照明パターンを作ることができる。

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出典元
https://ex-press.jp/wp-content/uploads/2015/05/LFWS201505_wn2.pdf