狭線幅レーザ評価対応高分解能分光計
産業および研究分野においてレーザの特性評価要求が急進展しており、スペクトル分解能と精度に対する要求が益々高くなっている。現在の分光計は通常、小型化とパフォーマンスの間にトレードオフがあり、常に波長計を併用する必要がある。仏レゾリューション・スペクトラ・システムズ社のスペクトロメータは、VIS-NIR(630〜1100nm)領域における狭線幅レーザ(FWHM<0.3nm)のスペクトル特性評価で他に存在しない特徴を提供している。SWIFTS技術をベースにしたスペクトロメータの主な特徴は、コンパクト、高いスペクトル分解能と高精度である。トリガー機能と高速性により同社のスペクトロメータは、連続波(CW)とパルスレーザの評価に適しており、スペクトルアナライザと波長計の両機能を同時に利用することができる。
波長と線幅計測を統合
シングルモードレーザの主要なスペクトル評価は、その中心波長と線幅で定義される。これら2つのパラメータは、一定条件下で変動する可能性がある。ZOOM Spectraは、レーザの中心波長と線幅の両方を測定し、線幅は6GHzスペクトル分解能で0.300nm以下の線幅を測定できる。図1は、10Hz、5Hzと20Hz、3つの異なる繰り返しレートで動作するNd:YAGレーザを示している。ZOOM Spectraは、絶対精度650MHzで異なる繰り返しレートの中心波長と線幅の変動を測定する。
狭帯域チューナブルレーザ
波長とスペクトルモードの特性評価は、狭帯域チューナブルレーザの操作における重要部分をなす。MICRO Spectraは、こうしたレーザモニタリングにとってコンパクトで高性能なソリューションである。
MICRO Spectraスペクトロメータを用いてチューナブルダイオードレーザの特性を評価した。図2に示したように、ダイオードレーザは30nmの範囲で可変である。MICRO Spectraの高いスペクトル分解能(7〜20pm /6GHz)により、1nmの範囲に広がる6つの異なるレーザモードを検出することができる。
2波長同時発振レーザの特性評価
2波長同時発振レーザでは、1つ以上のレーザピークを制御する必要がある。2つのピーク間の間隔とその絶対波長を制御するために高分解能のスペクトロメータが必要とされる。SpectraResolverソフトウエアにより、2つ(あるいはそれ以上)のレーザ発振線のスペクトルと中心波長をリアルタイムで可視化できる。
ZOOM Spectraを使い、1060nm付近で発振する2台のチューナブルレーザを制御した。2つの波長ピークの間隔は数ナノメートルから極めて小さい、数GHzの差まで容易に測定する事ができる。図3に示したように、2つのレーザ発振線は1.3nmから0.1nmの波長間隔まで近接している。SpectraResolverソフトウエアによってスペクトル、ピークの主要特性(中心波長、線幅、相対強度)(図3)、および経時的なピーク波長の変化(図4)のリアルタイム可視化ができる。
こうした機能は、例えば、センシング用途あるいはテラヘルツ波生成で使用される2波長同時発振レーザの開発や可変性の評価にとって役立つ。一例として、これは2波長同時発振780nmTi:Saレーザで実証されている。このレーザはフランスIPRでデモされたもので、高スペクトル純度チューナブルCWTHz生成に最適化されている。ZOOMSpectraは、レーザの開発過程において、マルチモード、シングルモード、2波長同時発振動作、レーザのTHz可変性の確認など、様々な段階で使用された(1)。
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出典元
https://ex-press.jp/wp-content/uploads/2015/03/LFWJ1503_feature_Spectrometers.pdf