地表と海底の地形を迅速にカバーする単一光子ライダ

Laser Focus World誌2011年9月号では、米システム・シグマ社が開発した単一光子を感知する光検出・測距(ライダ)の能力を紹介した。回折光学素子(DOE)を使って、低電力で高繰り返し周波数の532nm緑色レーザビーム(20kHzで140mW)から10×10の低電力(1mW)ビームレットアレイを生成し、最高毎秒2メガピクセル(Mp/秒)の表面測定速度を実現した。
 この初期システムは(1回の上空通過で)、最大速度88ノット(161km/hr)で移動しながら、対地高度(AGL)1kmと2.5km(3.3kftと8.2kft)それぞれにおいて、低反射率の樹冠と高反射率の氷雪圏表面の高解像度3D地形画像を連続的に生成した。
 これは1kmの高度、0.5kmの最大観測幅(スワス)において約80km2/hrの面積をカバーする。現在では、シグマ社によって改良された単一光子感知ライダは最高8.5km(28kft)のAGLにおいて2.5kmの最大観測幅で動作している(1)。

ヘラクレス

最近になって、シグマ社は、中間高度・高解像度の量子ライダシステム(HRQLS;ヘラクレスと発音)を自己資本で開発した。その主要な技術目標は、測定点密度の調整をユーザに任せながら、大面積の迅速マッピングを実現することだ。面積被覆率は観測幅と飛行速度の積に等しい。この観測幅を初期システムに比して拡大するために、HRQLSのデュアルウェッジ光学スキャナは、最大半円錐角を20°に拡大した。

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出典元
https://ex-press.jp/wp-content/uploads/2014/10/WN1-_LFWJ201409.pdf