小型CTスキャンとソフトを組み合わせ多彩な機能を提供

加藤 まどみ

ビームセンスはマイクロフォーカスX線透視装置・CT装置の「スマートレントゲン」シリーズを展開している。同シリーズは最新のコンピュータ技術を使い、X線画像をより広範囲に活用できるX線透視装置・システムだ。はんだや溶接中に存在するボイドやBGA形状など、また単なる透過画像だけでなく、チップ中の材料の識別および可視化、3Dデータとしての活用なども可能にする。X線の透視技術と高性能のX線センサ、そして解析技術というハードとソフト両面がそろって可能になったシステムである。
 ラインアップは3種用意される。CT機能も持つ世界最小クラスの「FLEXM345」、卓上サイズの標準機でMサイズ基板の分析が可能な「FLEX-M863」、鉄板15mmの透過力をもつ「FLEXMH867」である。FLEX-M345はエックス線装置としては非常に小型で、小さいために筐体の剛性が上がり精度も高いという。
 同シリーズは2014年5月の時点で国内を中心に87台出荷しており、ユーザーからも高い評価を得ている。東南アジアを中心に、欧米にも今年から来年にかけて展開していきたいとしている。6月4〜6日に東京ビッグサイトで開催されたJPCAショーへ出展し、半導体パッケージング・部品内蔵技術展部門において独創性や産業界における将来性などを審査対象とする第10回JPCA賞(アワード)を受賞している。

高濃度分解能が多機能化を可能に

スマートレントゲンシリーズは、デスクトップに置けるほど小型であることのほかにも、高い濃度分解能という大きな特長がある。これを可能にしたのは同社の独自開発によるCCD撮像センサだ。感度も非常によく誤差は10%に収まり、同様のセンサでは珍しいという。X線透視画像のコントラストは理論的には単純に線吸収係数と厚さの関係により求められるが、このセンサが非常に高性能で低ノイズであるため、その計算値は実測の濃度ラインともよく一致するという。これらの性能により、X線透過装置やCT装置というハードと、データを解析してさまざまに使うことができるソフトとを組み合わせた多彩な機能が実現されていると言えるだろう。
 X線源には高い安定度をもつマイクロ焦点X線源を採用している。センサのサイズは30×20mmとなり画素数は1500×1000=150万である。画素サイズは20μmであり、従来のものよりかなり分解能を上げているという。測定は基本的に1画像につき1秒程度となり、0.1〜10秒の間で調節できる。

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出典元
https://ex-press.jp/wp-content/uploads/2014/07/c8a5ffeea75fb4e65bf1f1314a05f5d8.pdf