光検出器なしで光学力をマッピングする多重周波数NSOM

近接場走査光学顕微鏡 (NSOM)は鋭いプローブチップまたは小さな開口を使って試料表面近傍の電磁場を散乱させ、周囲エバネセント場内に存在する高空間分解能情報を集める。次に、そのサブ波長場情報を伝搬遠方場に変換して、それを光検出器で測定して試料画像を形成する。
 新しい技術、いわゆる多重周波数NSOMを用いて、米セントラルフロリダ大学(UCF)のオプティクス・フォトニクス校(CREOL)と仏CNRSのランジュバン研究所の研究チームは、電気信号と光信号の両方をチューニングホーク(音叉)アーキテクテュアに適用して、プローブの表面トポグラフィーとプローブに作用する光学的に誘起された力の空間分布の両方をマッピングした(1)。この方法は放射分布マッピングに光検出器を必要としないので、光の広帯域検出を単一プローブで実行できる。

光学的に誘起された力の測定

この実験装置では、1つのアームに鋭いプローブチップ(従来法で金コートされた直径100nm開口延伸ファイバ)が固着されている振動水晶音叉が試料表面直上で圧電駆動される。プローブ位置は標準的な原子間力顕微鏡(AFM)と同様に最初の共鳴信号のフィードバック機構を通して一定に保たれている。第2の振動が音叉の1つのアーム上のプローブチップに加わると、余分の高次共鳴がモニタされ、これがチップに作用する力に関する情報をもたらす。

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出典元
https://ex-press.jp/wp-content/uploads/2014/05/70d6c6834008e88317c4e88ccd3bcc03.pdf