軸方向走査が不要な二重検出型共焦点蛍光顕微鏡

生きている組織を最も効率良く観察する方法の1 つは共焦点蛍光顕微鏡を使うことである。これは詳細な3D蛍光情報の取得と、それを使った3D画像の再構成を可能にする。しかし、共焦点顕微鏡は通常3次元走査が必要なので、生物学的試料は、多量の光を浴びて、光退色や損傷を起こし、死にいたることさえある。
 韓国科学技術院(KAIST)とハンヤン大学の4 人の研究者たちは、3 次元(軸、x、y)の全てではなく、2次元(x、y)走査だけが必要な機器を開発して、共焦点蛍光顕微鏡法における光毒性問題を大幅に低減した。イ・ドンリョン(Dong-Ryoung Lee)、キム・ヨンドク(Young-Duk Kim)、グォン・デガン(Dae-Gab Gweon)、ユ・ホンギ(Hongki Yoo)を含む研究者たちは、サイズと軸方向応答の異なる2つのピンホールでカバーされた光検出器を使って、これを達成した。発光点からの軸方向情報は、ピンホールからの強度信号の比率を観察し、それらの軸方向応答を使って、その点の深さ位置を決定することで求まる。
 この技術、いわゆる二重検出共焦点蛍光顕微鏡法(DDCFM)においては、2つのピンホールは一定の軸方向距離だけ離れている。2台の検出器からの信号の比率が測定基準パラメータとなる。したがって、蛍光試料の量子効率などの特徴は計算から除外され、簡単な応答曲線となる。

180μmの深度範囲

実験システムでは30と150μmのピンホール直径を利用した。光源は488nmを発光するレーザであった。二次元走査をガルバノ・ミラーと8kHz 共振ミラーを使って実施し、1秒あたり15.6フレームを実現した。各フレームは512×512ピクセルからなり、視野は4000×4000μmであった。
 軸応答曲線は、ピンホールサイズに加えて、対物レンズの開口数(NA)にも依存する。長軸測定は、0.045の低いNAをもつ対物レンズを使って実施した。光電子増倍管(PMT)を使用して蛍光信号を取得した。

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出典元
https://ex-press.jp/wp-content/uploads/2014/02/0014wn02.pdf