100Tbit/sに達したOAM多重プラスWDM

2つの異なる直交多重化技術の組み合わせは通信容量を劇的に増大させる可能性を持つ。それを、米南カリフォルニア大学、イスラエルのテルアビブ大学、米ジェット推進研究所、スコットランドのグラスゴー大学の研究者たちは正確に実証した。すなわち、彼らは軌道角運動量(OAM)を使ったモード分割多重と波長分割多重(WDM)を組み合わせて毎秒100テラビット(Tbit/s)以上の通信容量を達成した(1)。

OAMモード分割多重

波面内に方位角に依存するらせん状の位相項を含み、「ドーナツ形」のリング状強度プロフィルをもつレーザビームはOAM モードと呼ばれている。正と負(それぞれ時計回りと反時計まわりの位相回転)の異なるOAM値を持ち、異なる偏光状態さえ持つ、多数の空間的にコロケーションされたOAMモードは、モード分割多重を通して同時に多重化され、複数の独立なデータチャンネルを同一波長で伝送する(図1)。
 この大容量通信デモンストレーションにおいて、研究者たちは特別に設計されたらせん状位相パターンをもつ光空間変調器(SLM)を使って、ガウシアン入力からの3つのビームOAM+4、OAM+10、およびOAM+16の重ね合わせを発生させた。第2のSLMは、重合せOAM+7、OAM+13、およびOAM+19ビームを生成した。

図1

図1 軌道角運動量( OAM )を使ったモード分割多重では、らせん状の位相パターンがガウスモードをリング状強度プロファイルのOAMモードに変換する(a)。多重化(MUXed)OAMモードは1 群の同心円リングを形成し、これらはさらに波長分割多重( WDM )を使って多重化され(b)、m×nの独立データチャネルを提供する。(資料提供:USC)

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出典元
https://ex-press.jp/wp-content/uploads/2014/02/0014wn03.pdf