ポリマGRINレンズの製造を改善するOCT

米ロチェスター大学の研究チームは、多数の他機関との協力の下で、光コヒーレンストモグラフィー（OCT）を使って、新しいタイプの屈折率分布型（GRIN）レンズの内部構造の高解像度3D画像を取得した（1）。S-GRIN と呼ばれるこの新型レンズは球形の屈折率勾配を持つ。このレンズは軽量単レンズカメラや他のデバイスの潜在的需要を持つが、レンズ自体の技術的躍進は、その製造的側面にある。同大学チームは米シノプシス社（Synopsys）、米ポリマープラス社（PolymerPlus）、米ケース・ウエスタン・リザーブ大学、タイのスラナリー工科大学（Suranaree University of Technology）からの研究者で構成される。軸勾配（曲面）、とりわけ動径勾配（光軸に垂直な平坦端をもつ棒状）をもつGRINレンズは一般的だが、S-GRINレンズは球形屈折率勾配の加工が困難なため、さほど普及していない。しかし、そのような勾配はレンズ設計者にレンズ収差を補正するさらなる自由度を提供するため、ケース・ウエスタン・リザーブ大学のチームは多数のポリマ層を互いの上に重ねて製造する技術を粘り強く開発した。次にこれを加熱、圧縮成形して、同心円状球面をもつプリフォームを作製した。このプリフォームをダイヤモンド旋盤にかけ、最終レンズに仕上げた（2）。

微視的な細部の3Dイメージング

しかし、レンズ製造工程の1 つの重要な部分は、作られているものの詳細な特徴を知ることである。OCT は光伝達物質内部の非侵襲3D測定（OCTの最も有名な利用は生物組織の3D 画像形成）が可能なため、同大学の研究チームはOCT を使ってS-GRIN の多層の微視的詳細を画像化した。2つのアプローチが採用された。第1は、同大学で開発された、いわゆるガ
ボールドメイン光コヒーレンス顕微鏡法（GD-OCM ）であり、8mm 立方体積に対して3次元において2μmの高解像度を提供する。

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出典元
https://ex-press.jp/wp-content/uploads/2014/02/0010wn01.pdf