100G 問題を解決する集積F-Pレーザアレイ

100Gbit/sあるいは100Gの光インターコネクト空間の主要な挑戦は、大型データセンターの数キロメートルの距離をサポートすることができる、高速で低コストのレーザ設計と製造である。垂直共振器形面発光レーザ(VCSEL)は、1Gbit/sと10Gbit/sで広く使われているが、それらの伝送距離はOM3ファイバ(マルチモード、50μmコア/125μmクラッド)上で100mに制限され、大型データセンター間の橋渡しにはあまりにも短すぎるため、100Gシステム用の選択肢ではない。
 米コツラ社の事業開発VP を務めるアルロン・マーティン氏は、「10kmの伝送距離用のIEEE 802.3仕様書、100GBase LR(100Gbit/s、ベースバンド変調、長い伝送距離)はほぼすべてのデータセンターをサポートするだろう。しかし、この仕様書は、単一ファイバ上の4チャンネルすべてを組み合わせるために、波長分割多重(WDM)と直接変調分布帰還形(DFB)または電界吸収(EA)レーザを必要とする」と語っている。そして、「このアプローチの問題はコスト、パワー、そしてサイズだ。これらのトランシーバは複雑なため、コストが同一伝送距離の10G トランシーバの100倍になる」と付け加えた。
 マーティン氏は、より多数のビットをより低いコストで送信する次世代トランシーバを期待しているユーザーはがっかりするだろうと言う。コストが唯一の懸念ではない。電力消費量も20~24Wであり、10Gの1~2Wに比べてあまりにも高い。100G用の小型プラガブル(CFP)パッケージはiPhoneより大きいサイズで非常にかさばるので、19in.スイッチのフェイスプレート上にたった4 個しかはめ込めず、結局のところ、密度が10G トランシーバ使用に比べて悪くなる。
 マーティン氏は、100G トランシーバはレーザに対する要求が厳しいため高価になると言う。1310nm領域のレーザを800GHzのグリッド(約4.5nmの間隔に相当)上に指定しなければならないため、レーザ波長を正確に1295.56、1300.05、1304.58、および1309.14nmに集中させる必要が生じる。さらに、多重化とシステムの双方向性を実現するためには、レーザの使用可能範囲が4.5nmウィンドウ中のたった2.1nmにまで狭まる。レーザメーカーは、この普通ではないグリッドに適合する高性能25GHz レーザを開発しなければならないだけでなく、完全に良品のレーザでもグリッドに適合しないものは出荷をあきらめなければならない。

よりよい方法

最も製造容易なものの1 つであるファブリー・ペロー(F-P)レーザは、複雑なDFB方式の回折格子も、マルチセクションEA レーザのEA ステージも使わずに、広帯域レーザ発振スペクトルを生成する。これらのレーザは非常に小型なので、シングルリン化インジウム(InP)ウエハ上に10,000 個以上も高収率ではめ込むことができる。しかし、F-P レーザは変調速度が非常に遅く、レーザ発振モードがWDM システムの要求を満たさないので、一般に高速データセンター用途に採用することはできない。

(もっと読む場合は出典元へ)
出典元
https://ex-press.jp/wp-content/uploads/2012/09/201209_0012wn01.pdf