レーザを目で見える量子流体に変換する半導体チップ

英ケンブリッジ大学の研究チームは活動中の量子力学を裸眼で見ることができる。彼らは、レーザ光を微小共振器内の電子の近傍に強固に閉じ込め、半導体励起子と微小共振器光子を混合させ、量子状態の直接可視化を可能にするポラリトンを生成する半導体チップを開発した(1)。

超流動

この1×10cmチップは5λ/2周期のヒ化ガリウムアルミニウム(AlGaAs)分布ブラッグ反射器(DBR)微小共振器から成り、DBR共振器電場のアンチノードには4組の3重量子井戸が配置されている。共振器のQ値は8000以上であり、2台のポンプレーザによる照明は、加熱を避けるために100Hzでチョップされてから、開口数0.7のレンズを通して直接チップに入力された。チップは50K以下の低温に保たれ、画像は非冷却シリコンCCD 上の拡大像面に記録された。
 半導体チップに、直径1μmの750nmポンプレーザ光スポットを2つ以上あてると、二次元ポラリトン凝縮体が自発的に振動する量子流体を形成し、活動する量子力学が可視化された。この効果は、一定の閾値以上でボース凝縮したポラリトンが外向きの力を感じ、もう1つのポンプスポットで照明された反対の凝縮体と相互作用する膨張ポラリトン凝縮体を形成することで可能になる。

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出典元
https://ex-press.jp/wp-content/uploads/2012/04/201204_0014wn01.pdf