Lagrangeは最初の重力波観測所になるか
科学者のグループは、新しい宇宙重力波観測所の設計、いわゆるLagrange(LAser GRavitational-wave ANtenna at GEo-lunar Lagrange points)を考案した。そのコストは現在廃棄されているレーザ干渉計宇宙アンテナ(LISA)のコストの半分になるだろう。LagrangeはLISA の設計技術とLISA後に改良されたUVまたは他のLED、光学系、コーティング技術の組み合わせである。
LISA 宇宙観測所はNASA と欧州宇宙機関( ESA)によって開発される予定だったが、2011年のNASAの予算削減によって同プロジェクトは終了した。NASAとESAは現在、より安価な選択肢としてESAの次期重力波観測所(NGO )が一番有力であると見ている。しかし、米スタンフォード大学、NASAエイムズ研究センター、サウジアラビアのアブドゥラジズ王科学技術都市、米クロストラック・エンジニアリング社、米ロッキード・マーティン・スペース・システムズ社、米SRI インターナショナルの研究チームは、Lagrangeなどの設計代案はすでに機が熟していると考えた。
三角形配置
LagrangeはLISAと同様に、重力波検出用のレーザ干渉計を構成するため三角形の「星座のような配置」に配列された3機の宇宙探査機から成る。LISAは地球を回る地球軌道から20°傾けて配置され、アーム長さは5×109mとなる予定だった。Lagrange の配置は地球にかなり近く、L3、L4、およびL5の地球/月ラグランジュ点に配置され、アーム長さは6.7×108mになるだろう。3機のLagrange宇宙探査機のすべてが1機のFalcon9ロケットで打ち上げられる予定だ。
Lagrangeは、1mHz~1Hzの範囲の重力波摂動を3×10-20の歪み感度で測定するように設計されている。それは単一の重力参照センサ、3~10Hzで回転(磁気的に速度を上げて回転)する直径70mm の球形テスト質量(TM)を含み、抗力の影響を受けないようにチェンバ内に収められている。干渉計は、光学ベンチに光ファイバで接続された1台の1Wレーザからなる(LISAの場合は2 台のレーザと2 台の重力参照センサを装備していた)。レーザ周波数は高フィネス光共振器またはヨウ素分子時計で安定化された。
(もっと読む場合は出典元へ)
出典元
https://ex-press.jp/wp-content/uploads/2012/03/201203_0016wn03.pdf