13nmテーブルトップ光源を利用するナノメートル解像度の撮像装置

走査電子顕微鏡、超解像度多光子顕微鏡、誘導放出制御顕微鏡、コヒーレント反ストークスラマン散乱顕微鏡などのナノスケールイメージング技術は、従来の共焦点顕微鏡と比べて、100nm以上の厚い試料の撮像が不可能、コントラストが相対的に低い、蛍光標識が必要、標識フリーだがほどほどの解像度利得しか得られない、といった欠点を持つ。それゆえに科学者や技術者は、常にこれらのナノメートルイメージング技術の改良に取り組んでいる。
 軟X線コヒーレント回折イメージング(XCDI)は、高い空間分解能、元素と化学の特定性、さらには2ないし3次元の厚膜試料の画像さえ提供する相補的なナノスケール技術として登場した。しかし、イメージング光源として使用されているシンクロトロンとX線自由電子レーザ(XFEL)は高コストで複雑なため限られた研究所でしか利用できない。
 最近、テーブルトップX線源が入手可能になり、全所要時間は80分と長いものの30〜50nmの解像度でナノスケール画像を取得することができるようになった。しかし、コロラド大学ボールダー校JILA(宇宙物理学合同研究所)、SLAC国立加速器研究所、カリフォルニア大学バークレー校、コロラド州立大学、およびUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)の研究チームは、13nmのテーブルトップX線源を使ってXCDI画像を劇的に変革し、25nm解像度のイメージングをたった30秒で達成した。

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出典元
https://ex-press.jp/wp-content/uploads/2012/02/201202_0016wn03.pdf