Siフォトニクスに代わる最初のPOETとしてのGaAs変調器

OPELテクノロジーズ系列の米ODIS社と米コネチカット大学にある同社の研究開発センターの科学者と技術者は、高速で低消費電力のヒ化ガリウム(GaAs)とヒ化ガリウムアルミニウム(AlGaAs)ベースの光変調器を、彼らのプレーナオプトエレクトロニクス技術( POET )半導体集積フォトニクスプラットフォームのパーツとして開発した(1)。
 全シリコンフォトニックデバイスとシリコン光インターコネクトを使ったエンド・ツー・エンド(レーザ光源‐検出器)集積アーキテクチャの発想とは違って、POETは単一ICチップ上のIII-V半導体光デバイスと電子デバイスのモノリシック集積を狙っている。この変調器の開発は、ODIS 社と米BAE システムズ社リード・マイクロエレクトロニクスセンター間のPOET 開発契約に対する空軍研究所(AFRL)からの部分的資金援助の下で、実施された。

より良いOE集積

大部分の光リング共振器型変調器は二酸化ケイ素( SiO2 )クラッド層を含む絶縁体上シリコン(SOI)導波路を使用している。あいにく、これらのデバイスは、吸収に順方向バイアスダイオード内のプラズマ効果を利用するため、消費電力がかなり高い。
 代わるPOET設計は、矩形の導波路領域を持つGaAs/AlGaAs p-i-n量子井戸構造を利用し、電荷依存吸収端に基づく青方偏移変調器を創製する。すなわち、吸収変化は量子井戸の充填に応じたバンド端の青方偏移によって引き起こされる(図1)。このデバイスは電荷注入によって起きるリング共振周波数のシフトを基礎にしている。

図1

図1 GaAs/AlGaAs量子井戸共振器は矩形導波路構造をもつIII-V半導体光変調器の基礎を形成している(上図)。POET変調器デバイスがその断面で示されている(下図; 上図を通る点線で示されている)。(資料提供;コネチカット大学とODIS)

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出典元
https://ex-press.jp/wp-content/uploads/2012/01/201201_0014wn02.pdf